強い外部磁場存在下における分子の反応動力学に関する理論的研究
Project/Area Number |
05226215
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
島倉 紀之 新潟大学, 教養部, 教授 (40111314)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1993: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 分子磁性 / 外部磁場 / 反応動力学 / 磁場消光 / 前期解離 / 電子捕獲 |
Research Abstract |
1.SO_2分子の発光強度に関する外部磁場効果:神谷と松井によって得られた電子状態の計算結果を用い、対称性、遷移密度という観点から振電相互作用、スピン-軌道相互作用を調べることによりSO_2分子の磁場消光について研究を行なった。これらの研究を通し、もっとはっきりした、定量的な結論を出すためにはより正確な数値が必要だということがわかったので新たにこの系に対しab initio法に基づく電子状態の計算を行なった。基底状態の平衡点、垂直励起エネルギーに関する計算結果を実験値と比較してみたところ神谷、松井の結果よりも良い値であることがわかった。現在、C^1B_2状態の平衡点から解離方向にS-O結合距離を伸ばしていった時のポテンシャル曲線を描き、更に振電相互作用、スピン-軌道相互作用などの数値を求めこの系の磁場消光を解明中である。 2.強い外部磁場存在下におけるイオン・分子反応:昨年度開発した磁場存在下で遷移確率を計算するプログラムを用い、実計算を行なった。(1)磁場を強くすると全断面積が増加する、(2)衝突エネルギーが低い程同じ強さの磁場であってもその影響は大きい、(3)縮退しているΠ,Δ状態の部分断面積が異なった値になる、という興味深い結果が得られた。また遷移確率が時間の経過と共に振動し、なかなか一定値にならないという問題点を解決するため我々は、特定の状態間の遷移だけが起こる核間距離においては特別なルーチンを用いて高速に時間発展を行なわせるようプログラムを書き直した。この結果新たに、磁場の強さを変化させて行くとゼーマン分裂のエネルギーが状態間のエネルギー差に一致するところで部分断面積が急激に変化することがわかった。これは磁場による分裂のため、対応する2状態のエネルギー準位が入れ替わるためであると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)