Project/Area Number |
05226217
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
富岡 秀雄 三重大学, 工学部, 教授 (20024599)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | ジアリールカルベン / 立体保護 / つっかい効果 / 閃光光分解 / 寿命測定 |
Research Abstract |
本研究は磁性の根源ユニットとしてラジカルと共に注目を集めている三重項カルベンを安定化し、究極的には室温でも長時間安定に存在しうる安定カルベンを開発し、かつ磁性を含む物理化学の諸性質を測定することを目的としている。 本年度は2,2',6,6'位に置換基(R)を持つジフェニルカルベンに焦点を絞り、その発生、直接観測、寿命測定と化学反応について検討した。その結果、R=C1のとき、寿命は非置換体(R=H)に比べ約10^4倍長くなり、特に全てクロロ化したデカクロロジフェニルカルベンでは半減期は28msとなった。これはm及びp位置換基によるつっかい効果のためと理解された。一方、R=Meの場合、さらに1桁長くなり、ジメシチルカルベンでは寿命は320ms、ジデュリルカルベンで555msとなった。しかし、さらにメチル基を導入したデカメチル体では145msと逆に短寿命化したが、これはつっかい効果のためメチル基がカルベン中心に近づき過ぎたためと解釈した。(2,4,6-トリ-t-ブチルフェニル)フェニルカルベンは外部試薬とは全く反応しないが、分子内C-H挿入が起こり、その寿命は120μsとなった。 以上の結果、ジフェニルカルベンの立体保護基としてのRの効果はMe>Cl>>^tBuの順となり一般の中間体でみられる効果とは異なることを明らかにした。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)