有機強磁性体の開発を目的とした安定ラジカルを含む高分子合成とその磁性研究
Project/Area Number |
05226231
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
三洋 洋三 大阪市立大学, 工学部, 講師 (50047312)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 有機磁性体 / 安定ラジカル / 共役型高分子 / ESR / 磁化率 / SQUID |
Research Abstract |
有機磁性体へのアプローチとしていくつかの有力な方法があるが、そのひとつとして、大きなpi-共役系をもつ共役型高分子のトポロジー的対称性に着目して、平行スピンの集合系を構築し、さらに高分子鎖間に強磁性的相互作用を誘起させることによって高分子磁性体を具体化するという方法がある。本研究はこの方法に従って、ポリ(1,3-フェニレンエチニレン)ポリニトロキシド(1)の合成を試みた。すなわち、3,5-ジエチニルフェニルニトロキシドと3,5-ジヨード-t-ブチルベンゼンの等モルを、1:4トリエチルアミン-ピリジンを溶媒として、(PPh_3)_2PdCl_2-Culの存在下、室温、窒素中で、2h攪拌し、反応混合物をメタノールに投入すると、ポリラジカル1が橙色粉末として、87%の収率で得られた。IRスペクトルにおいて、≡C-H吸収の完全な消失が見られ、ポリラジカルが期待された構造をもつことが確認された。GPCより求められたポリラジカルの数平均分子量(Mn)は〜3000で、これは繰り返し単位で〜9量体に相当する。また、ポリラジカルのスピン濃度を溶液ESR法により求めた結果、1.51x10^<21>spins/gと非常に高い値がえられた。これは繰り返し単位当たりに換算すると87%となり、この結果より、重縮合中におけるラジカルサイトの分解はほとんど起こっていないことがわかった。以上述べたように、高スピン濃度のポリ(1,3-フェニレンエチニレン)ポリニトロキシドの合成に成功した。得られたポリラジカルの分子量についてはまだ満足すべ大きさではないが、ポリ(1,3-フェニレンエチニレン)ポリニトロキシドの最初の例として興味深い。今後このポリラジカルの磁性について検討していく予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)