Project/Area Number |
05227228
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
橋本 健朗 東京都立大学, 教養部, 助教授 (40202254)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 非経験的分子軌道法 / ナトリウム原子 / ナトリウムイオン / 溶媒和 / クラスター / 電子状態 / 水 / アンモニア |
Research Abstract |
非経験的分子軌道法を応用して、Na(H2O)n、Na(NH3)n(n=1-6)の電子状態、イオン化ポテンシャル、電荷分布、分子振動スペクトルなどを精密に解析した。その結果、(1)Na(H2O)nはNa-O結合と水素結合によって安定化し、2種の結合のバランスによりn4に対して(H2O)nクラスターの上にNa原子が乗った表面(Surface)構造とNaの周りを水分子が取り囲んだ内包(Interior)構造がある、(2)中性水和Naクラスターの表面構造と内包構造はエネルギー的には非常に近くイオン化ポテンシャルにより両者を区別するのは難しいが、計算された分子振動スペクトルにはそれぞれ特徴的ピークがあり実験による両者の同定に有用と考えられる、(3)HOMOの電荷分布は表面構造ではNa原子の3s軌道の性質を反映して局在化し(H2O)nとは逆方向に空間的な広がりをしているのが、内包構造ではNaを囲んだ水分子にもかなり広がっている、(4)Na(NH3)n(n=1-5)では内包構造が安定でn=6で水素結合による表面構造も見つかったが内包構造のNa(NH3)5の外側に一つのNH3が着く構造の方が安定である、(5)Na(NH3)n(n=1-5)の内包構造はNa-N結合によって安定化しておりNa(H2O)nとは異なっている、(6)Na^+イオンはH2OでもNH3でも第一層が4分子で完成する内包溶媒和構造をとる、(7)イオンの溶媒和は第一層が完成するまで専らNa^+イオンと溶媒分子の静電的相互作用によって安定化し、溶媒分子間の立体反発をさける分子構造となっているため中性の内包構造とは異なっているなどがわかった。このほかにNaと等電子のMg^+の水和構造の研究を進めたが、水素結合による安定化が見られるもののNa原子の様な水素結合ネットワークによる(H2O)nクラスターと結合した構造ではなかった。
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