中性子スピンエコー法による極冷中性子スピン干渉実験
Project/Area Number |
05228103
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
阿知波 紀郎 九州大学, 理学部, 教授 (60027456)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田崎 誠司 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (40197348)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 中性子スピンエコー / 中性子スピン干渉計 / 中性子光学 / 極冷中性子 / 中性子前方散乱 / 中性子の屈折率 |
Research Abstract |
中性子スピンエコー法は中性子スピンのラーモア歳差運動の反転収束を利用した中性子エネルギー解析装置である。通常試料を2つのラーモア歳差磁場の中間に挿入する。ここで片方のラーモア歳差磁場中に試料を挿入することにより、中性子スピン干渉計として、スピンエコー装置をそのまま利用することが出来る。しかし、物質透過中性子前方散乱には、中性子散乱の種々の過程が含まれる。我々は新たに、片方のラーモア歳差磁場の入り口と出口に試料を挿入した場合のスピンエコーシグナルの差から、中性子前方散乱の弾性及び非弾性散乱を分離した。そして弾性前方散乱から、中性子の屈折率成分を分離する方法を見いだした。中性子前方弾性散乱は、透過物質による中性子の屈折率および多結晶体等のドメインによる多重弾性散乱、小角散乱等よりなる。固体、液体、気体中の中性子の屈折率は、透過物質中での中性子の速度変化により、それは中性子スピンエコーシグナルのシフトとして求められる。また、中性子非弾性散乱は試料を歳差磁場の入り口及び出口に置いた時のスピンエコーシグナルの波形変化及び偏極率の変化として、観測出来る。京都大学原子炉実験所(KUR)において、当グループが開発した垂直磁場中性子スピンエコー装置は、波長5.7A、波長分解能10%の中性子をもちいて、0.15T磁場で5000回のラーモア回転数が得られる。本年度KUR冷中性子導管にスピンエコー装置を設置し冷中性子源非運転時に比し約15倍の強度を得た。 (1)多結晶ベリリウムの中性子前方散乱スピンエコー実験を種々の中性子透過長をかえて行い、中性子弾性散乱と非弾性散乱成分の分離を行った。 (2)単結晶Si透過中性子の屈折率の測定を結晶長を変えて行った。80cm長さのSi結晶に対し、波長波長5.7Aの中性子の屈折率1からのずれの理論値は2×10^<-5>で1800回転での観測誤差の2倍程度であった。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)