非線形に拡張された共形代数(W代数)の幾何学的側面
Project/Area Number |
05230014
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松尾 泰 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (50202320)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | W無限大代数 / 量子重力 / 量子ホール効果 / Kac行列式 / 指標公式 / 無限次元リー代数 / 自由場表示 / 理想流体 |
Research Abstract |
本年の研究成果として最も成功したものはW無限大代数の解析である。この代数の研究は今まで表現空間が無限次元になってしまうため、代数そのものを用いた解析ができないでいた。この問題点は本年9月にKacとRaduleにより解決され、今までほかの無限次元代数に用いられていた手法を応用できるようになった。研究代表者は、信州大学教養学部小竹悟氏、京都大学基礎物理学研究所福間将文、粟田英資氏らと共同でこの方面の研究を精力的に行った。現在もこの研究は進行中であるが、今の所得られた研究成果としては、代数の自由場表示、Kac行列式の計算機を用いた計算、さらにその公式の厳密証明、指標公式、Young図を用いた状態の分類と各状態のノルムの計算、超対称性を持った場合への一般化、部分代数の分類、など実りの多いものになった。これらの結果については、93年12月より四本の論文にまとめられてそれぞれ現在雑誌に投稿する予定である。現在はこれらの数学的な成果を、物理の系に応用することを研究している。元々、W無限大対称性は、二次元の量子重力理論、量子ホール効果、またそれと関連して量子理想流体の研究に重要な役割を果たしていることは知られていた。今回の研究で全ての既約表現の分類と内積に関して直交する基底の構成などが理解できたので、これまで知られていなかった量子力学的な固有状態やそのノルムのパラメーター依存性などが厳密に得られることが期待できる。 その他の研究では、まずフランス、エコールノルマル校教授のJ.-L.Gervais氏との共同研究によるW重力理論の光錐ゲージでの解析があげられる。この研究では先にGervais氏と研究代表者との共同研究により明らかにされたW重力理論の共形ゲージでの幾何学的な背景を別のゲージでも記述できることを明らかにした。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)