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¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
アルカリ土類酸化物を含むケイ酸塩融体は、マグマのモデル物質として重要である。しかし、これまでその塩基度は十分に評価されていなかった。本研究では、融体中に少量添加したクロムイオンのCr(VI)/Cr(III)酸化還元平衡電位から上記融体の塩基度を定量的に評価した。新たに得られた結果は以下の通りである。 1.一般に、アルカリ土類酸化物を含むケイ酸塩融体は高融点を有する。従って、同融体は実験上取扱いが難しくこれまで同融体を対象とした電気化学研究は少なかった。しかし、今回、いくつかの工夫により1700Kまでの電気化学測定を安定して行えるシステムを構築した。 2.酸素分圧1atm下で、(1-x)Na_2O・xRO・2SiO_2(R=Mg,Ca,Ba:x=0.0〜0.8)融体中に少量添加したクロムイオンのCr(VI)/Cr(III)平衡電位を測定した。いずれの系においてもMgO,CaO,BaOの濃度が増大するにつれ平衡電位は正電位側へ組成に対し直線的にシフトした。また、同一組成で比較するとMgO>CaO>BaOの順に平衡電位は正電位側に確認された。 3.今回測定した組成範囲内では、すべての系で組成に対し直線的に平衡電位が変化することが確認された。この関係がすべての組成域で成立していると仮定して、1523Kにおける端成分MgO・2SiO_2,CaO・2SiO_2,BaO・2SiO_2のCr(VI)/Cr(III)平衡電位をそれぞれ201.1(±3.0),138.5(±7.7),-4.3(±16.5)mVと見積もった。得られた結果を報告されている塩基度(XI -log aNa_2O)とCr(VI)/Cr(III)平衡電位の関係にあてはめ、MgO・2SiO_2,CaO・2SiO_2,BaO・2SiO_2の塩基度をそれぞれ11.4,10.9,9.9と評価した。
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