部分溶融体の力学物性の実験的理論的研究とマグマだまりのマクロな動態
Project/Area Number |
05231208
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
熊澤 峰夫 名古屋大学, 理学部, 教授 (60022571)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金嶋 聡 東京大学, 理学部, 助手 (80202018)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 部分熔融物質 / マグマだまり / 火山性地震 / 集合体 / 力学物性 / 音速 / 流動変形 |
Research Abstract |
1、周囲よりメルトフラクションが多く密度の小さいマグマだまりが重力場で周囲の媒質に与える影響は、一般に、シングルフォース+プレッシャーダイポールで与えられる力源で表現できる。シングルフォース部分はマグマだまりの浮力で決まるが、プレッシャーダイポール成分は内部と周囲との粘性コントラストに依存し、マグマだまり近傍の応力場を大きく変化させ得ることがわかった。そこでマグマだまりの内部及び周囲の媒質の粘性を応力の関数としてアプリオリに与えて場の発展方程式を完成させ、これを数値的に解いて、媒質の力学物性の不安定性によるエピソディックな重力エネルギーの解放が生じることを具体的に示した。 2、エピソディックなマグマの上昇が地震波の励起を伴う際には、歪みエネルギーを解放する従来の断層地震とは異なる全く新しいタイプの「重力エネルギーを解放する地震」が発生する。我々は従来から用いられてきた震源の表現定理がこのような地震をカバーしていないことを突き止め、物理的に可能な全ての震源現象を網羅する一般的な理論に拡張した。拡張された理論は、従来の理論の枠組みでは起こり得ないとされていたシングルフォース地震やトルク地震が物理的に発生し得ることを予測した。この結果は国際誌に投稿して受理された。 3.試料とサンプルのカップリングが確実に取れる変形実験装置が完成し、センサー部のキャリブレーションを行なった。また、変形特性を調べる前の準備として、静水圧下におけるサンプルのミクロな構造(固体粒子のぬれ具合、メルトの形・つながり具合、など)を調べるため、超音波計測をおこない、音速と減衰の周波数依存性を調べた。今後、この結果と、既に我々が確立した集合体の統計力学の理論からの予測を比較して、理論を発展させ、また、もっといろいろな表面エネルギーを持つ物質についても超音波計測を試みる。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)