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¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Research Abstract |
1)測定法の開発:従来,本研究者らが開発した方法は以下に述べる方法と同じ原理であるが,フーリエの熱伝導方程式の近似解として長時間側と短時間側のデータを解析して熱伝導度と熱拡散率を求めていた.この方法では長時間側で対流の,短時間側では近似の精度に問題があった.本研究では,短時間側での近似精度を上げる解析方法を考案した.Al_2O_3ルツボ中に保持した液体試料中に垂直に白金ストリップ(幅1mm,厚さ20μm,長さ70mm)を張る.これに一定電流を流すとジュール熱が発生し,白金の温度が上昇する.フーリエの熱伝導方程式をこの初期条件と半無限遠の境界条件で解くと,温度上昇速度ΔTは短時間側では,ΔT=C_1t^<1/2>-C_2tで近似できる.ここでtは通電時間である.定数C_1とC_2を組合せると,熱伝導度:λ=Q(C_2/C_1^2)(Wm^<-1>K^<-1>),熱拡散率:κ=4a^2π(C_2/C_1)^2(m^2S^<-1>)で与えられる.ここでQは白金ストリップ単位長さ当たりの発熱量,2aはストリップの幅である.さらに液体の比熱をC_P=λ/κで求めることができる.この測定方法の特徴は白金の温度上昇が数度と小さいので輻射の寄与を1%以下にすることができる点にある. グリセリンについて大気圧下,288Kで測定した結果,λとκおよびC_Pはそれぞれ0.283Wm^<-1>K^<-1>,0.0910m^2s^<-1>,2.46×10^<-3>J・kg^<-1>・K^<-1>で,誤差は5%程度である.エチレングリコール,水についても測定を行い,これらの値は文献値と良く一致した.マグマ(Alkali Olivine Basalt)の室温,大気圧下でのλは1.9Wm^<-1>K^<-1>とκは0.72m^2s^<-1>であった. 2)HIP装置への組込み:HIPはN_2ガスを用い最大圧力200MPa,最高温度3000℃まで加圧・加熱可能である.加熱装置は黒鉛ヒータとカンタルヒータが使用できる.試料室は内径80mm,高さ150mmある.測定セルからのリード線4本は圧力容器の底から取り出す.,試料室には黒鉛ルツボの中にアルミナルツボを入れ二重にし,試料および測定セルを設置する.
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