高次フラーレン及びフラーレン・チューブの電子状態についての理論的研究
Project/Area Number |
05233205
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
藤田 光孝 筑波大学, 物質工学系, 講師 (40192728)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
針谷 喜久男 工業技術院, 電子技術総合研究所・電子基礎部, 研究員
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | フラーレン / 高次フラーレン / フラーレンチューブ / 電子状態 / ボンド交替 / SSHモデル / 非線形光学 / スポンジ状グラファイト |
Research Abstract |
高次フラーレンについては、我々が提案したフラーレンの幾何学的理解法としての展開図法をベースに、その電子状態として特にボンド交替に注目し、その特徴が三副格子ケクレ構造との整合性としてみれば、フェイゾンラインという概念を導入することが出来、それによって各高次フラーレンにおける局所的にπ電子が拡がったり局在する可能性があることを提案した。更に実際に拡張したSSHモデルを用いて、その格子変形、電荷分布などを調べ、フェイゾンラインの妥当性を検討した。 フラーレンチューブについては既に、その電子的性質が内径ベクトルによって幾何学的に、金属になるか半導体になるかが調べられている。我々はチューブが本質的に一次元であることから、パイエルス不安定を持ち、金属的なチューブもボンド交替を示すことによって半導体に転移する可能性がないかを調べた。その結果、金属的チューブは三副格子ケクレ構造がボンド交替として出現することが分かったが、現実的な電子格子相互作用ではその転移温度は低く、常温程度では十分金属的な性質を持つであろうことが示された。 また中性C_<60>結晶の光物性としての、光吸収、非線形光学スペクトルを、電子格子相互作用に電子間相互作用を加えたモデル計算を行なって、周波数分散や光スペクトル強度について、実験と良い結果を得た。 負の曲面を持つフラーレンファミリーとして、グラファイトが3次元的に繋がった、スポンジ状フラーレンについて、その幾何学の多面体的構築法を提案し、アモルファスカーボンの局所構造として期待される、様々な結合形態を議論した。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)