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¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Research Abstract |
1.ビシクロ環系2-オキサゾリジノン体の効率合成と利用 2-オキサゾロンとアントラセン類、シクロペンタジエン類との[4+2]環化付加体を(1S,2R)-2-methoxy-1-apocamphancarboxylic acid(MAC acid)を用いて光学分割することにより、両対掌体を大量合成することに成功し、不斉補助剤としての有用性を検討した。既に実証済みであるアルキル化やDiels-Alder反応における有効性と同様に、ジアステレオ選択的アルドール反応やマイケル反応においてもほぼ完璧な立体制御が可能であることが明らかとなり、特に4,5-(9,10-dihydro-9,10-dimethylanthraceno)oxazolidin-2-one(DMAOx),4,5-[1,4-(1,2,3,4,5,5-hexamethyl)-cyclopenteno]oxazolidin-2-one(HMCOx)においては、従来のエバンス型不斉補助剤をはるかに凌駕する性能を持つことを示すことができた。 2.ビシクロ環系2-アミノアルコール類の利用 (a)不斉配位子として:上記2-オキサゾリジノン類の開環体である2-アミノアルコール類を配位子とする有機金属反応剤の反応を検討したところ、ジエチル亜鉛によるアルデヒドのエチル化反応の触媒として有効であることが明らかとなった。さらに、窒素原子上の置換基の種類を変えることによりエナンチオ選択性を完全に逆転するという興味深い現象も見いだすことができた。 (b)不斉反応剤として:ビシクロ環系2-アミノアルコールとn-BuLiとの混合物は、キラルアルコキシドとしてmeso-酸無水物と反応し、ハーフエステル体を高いエナンチオ選択性で与えることを明らかにした。
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