有機ランタノイド及び関連化合物の関与する電子移動系の構築
Project/Area Number |
05235207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
細見 彰 筑波大学, 化学系, 教授 (00004440)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 勝清 筑波大学, 化学系, 助手 (20251035)
北條 信 筑波大学, 化学系, 講師 (50229150)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 高配位遷移金属化合物 / 還元的メタル化 / 有機金属化合物 / 有機銅アート錯体 / ビニルスルフィド / ケテンジチオアセタール / ビニル銅 / ブテノリド |
Research Abstract |
本年度の研究計画に従って,以下に示す成果を得た. 高配位遷移金属化合物による新規還元反応とこれによって発生する有機金属化合物中間体の利用を行った.即ち,有機銅アート錯体の還元反応は、付加および置換反応の副反応として知られている程度であり、これまでに合成反応としての利用は殆どない。本研究ではそれほど電子が不足していない基質が二電子還元を受けてビニル銅中間体を与え,そのプロトン分解により生成物(ビニルスルフィド;E/Z=88/12)が94%の收率で得られることを見つけた。この反応は広範なケテンジチオアセタール類で起こることを明らかにした.また,還元反応の付加、置換反応に対する選択性に関して、配位子の効果が非常に大きいと思われるため、これについて検討し、高い還元能を示す試薬として有機銅アート錯体Me2Cu(CN)Li2が効率的であることを見つけた.さらに,還元反応により発生する銅試薬をプロトン分解する代りに各種求電子反応剤であるハロゲン化アルキルや酸クロリドとの反応について検討したところ,良好に反応して,求電子反応剤が導入された生成物を与え,新たな炭素-炭素結合生成反応および官能基化反応を実現した.エステル基の置換したジケテンチオアセタールを用いたMe2Cu(CN)Li2との反応は立体選択的に進行して,高度に官能基化された(Z)-ビニル銅反応剤の新規合成法となることが明らかになった.得られた(Z)-ビニル銅反応剤と酸クロリドとの反応生成物は(E)一体であるために,ケトン部分をテトラヒドロフラン中ナトリウムボロヒドリドを用いてアルコールに選択的に還元すると,分子内でラクトン化したブテノリドが収率良く得られた.
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)