電極界面における電子移動のモンテカルロシミュレーション
Project/Area Number |
05235221
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
垣谷 俊昭 名古屋大学, 理学部, 教授 (90027350)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 電極反応 / Transfer coefficient / 非線形応答 / モンテカルロシミュレーション / 電解質イオン |
Research Abstract |
電極反応におけるTransfer coefficientは溶媒ゆらぎの性質を顕著に反映させる重要な物理パラメータである。これまでに我々は多くの実験データを整理することによって基質がイオン化する反応ではTransfer coefficentが0.2-0.5に分布し、基質が中性化する反応では0.5-0.9に分布することを見出した。マーカスの線型反応答理論によると両反応とも0.5にならなければいけないのでこの系統的な偏差は溶媒ゆらぎの非線形応答を示しているものと思われる。このことを証明するために、我々は極性分子溶媒を用いてモンテカルロシミュレーションを行った結果、Transfer coeffcientは0.5からほとんどずれない結果を得た。その後、他のグループで、電解質イオンを高濃度混在させるとゆらぎのダイナミクスに非線形性が強く現れることを報告した。そこで、我々は現在、電解質イオンを混在化した溶媒を用いてモンテカルロシミュレーションの計算を行うための準備をしている。電解質イオンの効果として、反応体の電荷変化を効率的に遮へいすることがある。電解質イオンが混入されない系では反応体の電荷変化が遠くの媒質にまで及び、反応体をとりまく媒質が非線形応答(誘電飽和)するが分子系全体としては非線形性が弱くなると考えられる。従って、電解質イオンを混入させることによって非線形効果を高めることが期待される。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)