陽極酸化と陰極還元の両反応により発生する有機リン超活性種の合成反応への応用
Project/Area Number |
05235228
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大森 秀信 大阪大学, 薬学部, 教授 (90028845)
|
Project Period (FY) |
1993
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
|
Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
|
Keywords | 電解合成反応 / トリフェニルホスフィン / 一槽定電流電解 / アルケニルホスホニウム塩 / アシルホスホニウム塩 / 分子内環化反応 |
Research Abstract |
Ph_3P存在下,カルボン酸を電解することにより,対応するアルデヒドが収率良く得られる.この変換反応が,アシルホスホニウム塩の陰極還元により発生するアシルアニオン等価体を経て進行することを,サイクリックボルタムメトリー(CV)を詳しく検討することによって明らかにした.これより,SP^2炭素にリン原子が直接結合したホスホニウム塩の還元によって,興味ある活性種が発生できる可能性が示唆されたため,これらを合成化学的に利用することを目的として研究し,以下の知見を得た.1.シクロアルケニルホスホニウム塩(A)を陰極還元することにより,二重結合のアリル位でシクロアルケンが二量化した生成物が収率良く得られた.関連するホスホニウム塩の電解結果およびCVの検討より,Aが異性化して生成するアリルホスホニウム塩の還元によりアリルラジカルが発生し,このものの二量化により反応が進行することを明らかにした.本電解法は環状アリルラジカる簡便な発生法として利用価値が大きいと考えられる.2.カルボン酸をアルデヒドに変換する電解条件下,γ-ケトカルボン酸であるレブリン酸および類縁体について,Ph_3P存在下一槽定電流電解を行った.その結果,用いたカルボン酸の単純環化体(B),Bのエステル体,Bに由来するホスホニウム塩が高収率で得られ,γ-ケトアシルホスホニウム塩の陰極還元体が,アシルアニオン等価体として分子内炭素-炭素結合生成反応に利用できることが明かとなった.δ-およびε-ケトカルボン酸の場合も同様な環化体が得られた.本電解反応の推定機構より,Ph_3Pに代えてBu_3Pを用いれば単純環化体Bのみを選択的に得る可能性が示唆された.3.上記(2)の推定に基づき,まず,カルボン酸のアルデヒドへの変換をBu_3Pを用いて検討した.その結果,種々のカルボン酸から対応するアルデヒドが収率良く得られ,特に脂肪族カルボン酸の変換反応における収率が著しく改善された.
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)