Project/Area Number |
05235230
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
平尾 俊一 大阪大学, 工学部, 助教授 (90116088)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | レドックスサイクル / 酵素化 / 複合触媒 / 合成金属触媒 / 複素環系多座配位子 |
Research Abstract |
機能性配位子の設計に基づいた複合系遷移金属錯体を創製することで、酸化反応において合成化学的に有用な方法論を開発した。含窒素芳香族複素環によって構成され、C_2軸を有するPodand型多座配位子を合成し、遷移金属塩と複合錯体を形成した。複合錯体は分光学的および電気化学的手法で明らかになったが、多座配位に基づく特性を有していた。酸素供与体として分子状酸素を用い、オレフィンの触媒的酸素化反応に適用したところ、P-450モデルに見られるような従来のシステムと異なり、還元剤の共存を必要としないエポキシ化法が見いだされた。また、フェノール類の酸素化においては、キノンへの高収率で選択的酸化が可能となった。分子内軸配位子を有する自由度の高い複合錯体で、レドックス系が機能的に作用し、電子伝達プロセスが効率化されたと考えられる。いずれの系も、新規な酸化反応手法として確立するとともに、分子軌道的観点から考察を加えた。 導電性材料として注目を浴びている共役系高分子ポリアニリンの可逆的レドックス特性に基づいた、合成金属触媒システムが構築できた。効率的な電子伝達系により、アミンやアミノ酸の脱水素酸化反応における有用な合成手法が開発された。また、共役系高分子ポリアニリンの窒素部位に遷移金属を配位させることにより、遷移金属が共役系で繋がった新しいタイプのクラスター型錯体を創出できた。このレドックスシステムを触媒反応に応用し、複合系触媒が脱水素酸化に有効であることを明らかにした。その作用機構についても分光学的手法を用い考察した。 以上の如く、概念的に新規な方法論を基礎に、レドックス反応のための有用な触媒システムを構築した。
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