Project/Area Number |
05235247
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Polytechnic University |
Principal Investigator |
岡野 光俊 東京工芸大学, 工学部, 講師 (30194377)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | アニオン / ゲルミルアニオン / スタニルアニオン / 電解還元 / 核磁気共鳴スペクトル |
Research Abstract |
アニオンを中心テーマとして14族全体について一貫した研究を行いつつある。14族元素水素化物および14族-14族元素結合を持つ化合物の電解還元によりアニオンの生成を試み、生成に成功したものについては、アニオンの性質を調べた。出発化合物を低温にて電解還元後、その溶液のNMRを測定した。炭素、ゲルマニウム、スズについてアニオンの生成がNMRにより確認できた。ケイ素では確認できなかった。鉛については、実験を企画中である。いずれのアニオンも、溶液の温度を上げると分解した。トリフェニルメチルアニオンは出発化合物であるトリフェニルメタンを再生したのに対し、ゲルミルアニオンはジゲルマンを生成した。ゲルミルアニオンを使い溶媒や支持電解質の影響を調べた結果、THFやHMPA中でもアニオンを生成できた。THF中のアニオンは、NMRのシフト値が他と大きく異なるので、特異な性質を持つと予想された。支持電解質を変えた実験では、アンモニウムのアルキル基の長さを変えたところ、アルキル基が短くなる程アニオンの熱安定性は低くなった。 以上により、水素化物を出発化合物とする反応が14族元素全体にわたり適用できる反応であることが分かった。また、電解生成アニオンをNMRを使って研究する手法が確立された。 金属-金属結合を持つ化合物を出発化合物とする実験では、ゲルマニウム化合物についてのみ実験を行ったが、アニオンの生成がNMRにより確認された。生成するアニオンの13CNMRシフト値は、水素化物から発生させたアニオンのそれと全く一致した。この反応も炭素を除く14族元素全体にわたり適用できる反応であることが分かった。
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