Project/Area Number |
05235248
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
野上 潤造 岡山理科大学, 工学部, 教授 (70109742)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 電解 / スルフィド / alpha-アセトキシスルフィド / チオヌクレオシド / 抗ウイルス剤 / 新規反応活性種 |
Research Abstract |
電解によるスルフィドのalpha-アセトキシ化とその有機合成への応用について検討し、新しい知見を得た。有機硫黄化合物は合成原料として用いられる他、生体中でも重要な働きをしている。今回の研究では、その中からスルフィドを取り上げ、その電気化学的な性質を明らかにし、さらに電気化学的な手法を用いて効率良く有用な化合物へ変換する方法を開発した。 種々のスルフィドを酢酸中で酢酸ナトリウムを支持電解質として通電すると、他の多くの感応基は損なわれることなく極めて効率的にalpha-アセトキシスルフィドが得られることを見いだした。 種々のスルフィドが容易に得られることから、この反応の合成的な利用価値は高い。例えば、従来その合成には多くの操作を必要とした、gamma-ヒドロキシ-alpha,beta-不飽和エステルやニトリルが短工程で合成できる。また、テトラヒドロチオフェン誘導体を短工程でチオヌクレオシドに誘導することも出来た。このチオヌクレオシド関連化合物は、抗HIV活性を持つことが明らかにされ、エイズ治療薬としての利用が期待されている。さらには、alpha-アセトキシスルフィドを種々の官能基に容易に変換できることから、合成原料の簡便な調製法として本電解反応を活用することが出来る。ビニルスルフィド、alpha-ケトエステル、などの各種誘導体が容易に得られる。 現在、本反応を活用して、抗ウイルス剤などの有用物質の幅広い合成を行うと共に、本研究によって得た知見を基にした、電解反応による新規反応活性種の開発とその有用物質合成への応用研究を展開中である。
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