重周期典型元素を含む超不安定化学種の遷移金属錯体化による安定化
Project/Area Number |
05236204
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉藤 正明 東北大学, 理学部, 教授 (90011676)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 低配位 / 有機リン化合物 / 遷移金属錯体 / 多重結合 / 典型元素 / 立体保護 / ブタトリエン / ペンタテトラエン |
Research Abstract |
周期表で第3周期以降の典型元素を含む多重結合は、多重結合の原子間距離が長く、π軌道の有効な重なりによるエネルギー利得があまり期待できないこと、また、混成軌道を形成しにくいことなどから、化合物は超不安定であるとされてきた。本研究では、例えば2,4,6-トリ-t-ブチルフェニル基(Ar基と省略)など、極めて大きな立体保護効果を示す保護基の組み込みと遷移金属錯体化の両安定化に着目して、ArP=X(X=PR,CRR',C=C=PR,C=C=CRR',C=C=C=PR,S,Seなど)やArCΞPで表わされる2配位や1配位の低配位状態にあるリン原子をもつ化学種の発生とその遷移金属錯体の合成研究を行い、従来、単離が極めて困難であった超不安定化学種の安定化の可能性を検討する。具体的には、本年度は下記の2項目について検討した。 1.新規ジホスフェンとその遷移金属錯体の合成 立体保護効果のみによる、純粋な速度論的安定化だけではなく、電子的効果を合わせ持つ置換基をいくつか開発し、二重結合の両端に電子求引基(トリフルオロメチルフェニル)と電子供与基(フルオレニルメシチルアミノ)を有するプシュプル型ジホスフェンを合成した。ジホスフェンは安定で、^<31>PNMRの化学シフトにおける大きな高磁場シフトとX線結晶構造解析による結合距離などの考察から、ホスフィド型の寄与がかなりあることが示唆された。タングステン金属錯体について合成を検討したが、予想外に安定ではなかった。 2.1,4-ジホスファブタトリエン、1,5-ジホスファペンタテトラエンの遷移金属錯体化による安定化 表題化合物の合成と単離を試み、また種々の置換基効果も検討したが、多量化反応が速やかに進行し、安定性に問題があることがわかった。その金属錯体化による安定化も試みたが現在までのところ成功していない。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)