Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
|
Research Abstract |
1.オクタシラキュバンの環開裂反応 1,1,2-トリメチルプロピル基を保護基とするオクタシラキュバン(1)と五塩化リンとの反応において、Si-Si結合開裂過程で異常な新規骨格転位が進行し、4,8-ジクロロテトラシクロ[3.3.0.2^<2,7>.0^<3,6>]オクタシラン(2)がほぼ定量的に生成した。2はendo,exo-2、exo,exo-2およびendo,endo-2の3種の立体異性体の混合物であった。これらの異性体をリサイクルタイプ分取液体クロマトグラフで分離し、X線結晶構造解析により構造を定めた。 2.オクタシラキュバンの発光挙動 ペルアルキル体1の発光挙動がペルシリル体[(t-BuMe_2Si)Si]_8のそれとは異なることを見いだした。すなわち、1を80K以下で励起すると発光が観測されるが、その寿命は3.1msであった。また、ESRでシグナルが観測されることから、この発光は1の励起三重項状態からのものであることが示唆された。 3.デカイソプロピルビシクロ[2.2.0]ヘキサシラン(4)の環開裂反応 4とパラジウム錯体[PdCl_2(PhCN)_2]をベンゼン中で反応させると、1,4-ジクロロシクロヘサシランがシス体(cis-5)およびトランス体(trans-5)の混合物として得られた。両異性体の構造はX線結晶構造解析により決定した。この反応においては、Si-Si側結合の開裂に由来する生成物は検出されなかった。したがって、4のSi-Si中結合はパラジウム二価錯体のような求電子試薬に対して著しく高い反応性を示すことが明かとなった。つぎに、cis-5とtrans-5をそれぞれトルエン中でナトリウムと反応させたところ、立体構造に依らずトランルアニュラー反応が生起し、ビシクロヘキサシラン4が定量的に生成した。
|