π共役導電性配位子を有する有機金属錯体の創製とπ電子系による電子供与コントロール
Project/Area Number |
05236212
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山本 隆一 東京工業大学, 資源化学研究所, 教授 (10016743)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | π共役導電性配位子 / 脱ハロゲン化重縮合 / キレート配位子 / クラウンエーテル配位子 |
Research Abstract |
我々はこれまでに有機ニッケル錯体を用いた有機金属触媒反応により単位構造としてチオフェン、ピリジン、ベンゼン骨格を持つπ共役導電性高分子ポリ(アリーレン)類の合成を行ってきた。本研究では配位能力を有するポリ(アリーレン)類の合成をゼロ価ニッケル錯体を用いた脱ハロゲン化剤重縮合法により行い、さらに、このような従来あまり用いられていなかった導電性配位子を有する新規有機金属分子の創製とその性質についての検討を行った。 対応するジハロゲン化芳香族化合物とゼロ価ニッケル錯体との脱ハロゲン化重縮合法により、単位構造としてビピリジン骨格あるいはクラウンエーテル環が賦与されたチオフェン骨格を有するπ共役導電性高分子配位子PBpyおよびPCThの合成を行った。 PBpyはRu(bpy)_2^<2+>,NiCl_2等の遷移金属化合物に対してキレート配位能を有しており、単位構造あたり10-40mol%ほど遷移金属種の導入された導電性配位子有機金属錯体が得られた。PBpy有機金属錯体はそれぞれ水の光分解触媒、二酸化炭素の電解還元触媒として機能することがわかった。また、PBpy-Ru(bpy)_2^<2+>錯体の電気伝導度は10^<-5>S・cm^<-1>と半導体的特性を示し、その電子状態は低分子錯体Ru(bpy)_3^<2+>とは異なり混合原子価状態をとっていることが電気化学的解析からわかった。 電気化学的手法でPCThのクラウンエーテル配位子にNa^+を取り込むことによりPCThのNa錯体化を行った。PCTh-Na錯体のチオフェン主鎖の電子状態は還元状態(n-ドーピング状態)をとっていることがわかった。一般にポリオチオフェン誘導体の還元状態は不安定であることが知られているが、本錯体は金属と配位子との強い相互作用により導電化状態(還元状態)が安定化されていることがわかった。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)