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¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Research Abstract |
1 環状配位子η^5-C_5R_5(R=HまたはCH_3)によって基質の接近面を規制したルテニウム・共役ジエン錯体,Ru(η^5-C_5R_5)(diene)X,を銀トリフラートで処理することにより創製されるカチオン錯体[Ru(η^5-C_5R_5)(diene)]^+TfO^-はアルキン類、共役ならびに非共役ジエン類と高選択的に炭素-炭素結合を形成し、[Ru(η^5-C_5R_5)(η^2,η^2,η^2-トリエン)]^+TfO^-を生成することを発見した。基質にアルキン類を用いたときは、[4+2]付加環化と第二のアルキンのRu(IV)-H種への挿入により生じる1:2付加体が、ブタジエンを基質とした場合には、オクタトリエンが6電子供与体配位子となる。後者はR=CH_3の場合にX線構造解析によりtrans配置であることを証明した。このオクタトリエン錯体を一酸化炭素と作用させるとブタジエン環化二量体である1,5-シクロオクタジエン配位子に変換した。この[4+4]付加環化を触媒的に進行させることにも成功した。イソプレンを基質とした触媒反応では、位置、ペリ、および立体選択的に[4+4]付加環化が進行し、cis-3,7-ジメチル1,5-シクロオクタジエンを主生成物として与えた。これらの触媒反応中間体と考えられるビス-π-アリル・ルテニウム(IV)錯体の合成と構造解析にも成功した。 2 メリジオナル配置で遷移金属と結合するC2キラル三座窒素修飾剤、ビス・オキサゾリニル・ピリジン(ip.pybox)を有するルテニウム錯体、RuCl_2(ip.pybox)、を創製し、スチレンのジアゾ酢酸エステルによる触媒的不斉シクロプロパン化を検討し、trans:cis比が90:10以上、かつ90%eeをはるかに越える不斉収率を達成した。さらに、カルベン中間体モデルとしてカルボニル錯体RuCl_2(CO)(ip.pybox)の合成とX線構造解析にも成功した。3 炭素クラスターC_<60>を配位子とするポリマー錯体、C_<60>Pd_n、を創製し、そのフェニルアセチレンに対する二重カルボニル化ならびに水素化触媒活性を明らかにした。
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