有機ニッケル(III)錯体の創製とそのグアニン特異的認識能の応用
Project/Area Number |
05236222
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
杉浦 幸雄 京都大学, 化学研究所, 教授 (40025698)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | ブレオマイシン-ニッケル(III)錯体 / グアニン特異的認識 / グアニンカルテット構造 / 電子スピン共鳴スペクトル / ループグアニン / tRNA^<Phe> |
Research Abstract |
ブレオマイシン金属鎖体は通常2本錯DNAを5'-グアニン-ピリミジン配列特異的に切断することがよく知られているが,今回,ブレオマイシン-ニッケル(III)錯体は全く異なる反応性を有することを見い出した。すなわち,ブレオマイシン-ニッケル(II)錯体をIr(IV)で酸化して得られたブレオマイシン-ニッケル(III)錯体は,2本鎖DNAとは反応を示さないが,1本鎖DNAとは反応し,しかもグアニン塩基と特異的に反応していることがわかった。本有機ニッケル(III)錯体のグアニンに対する選択的分子認識機構を解明するため,ブレオマイシン-ニッケル(III)錯体と9-又は7-エチルグアニンとの反応を電子スピン共鳴法で追究した結果,ニッケル(III)はブレオマイシン分子中のβ-アミノアラニン-ピリミジン-β-ハイドロキシルヒスチジン部の5つの窒素原子と5配位4角錘型に配位し,空いた第6配位座にグアニン塩基のN-7位の窒素原子が結合することが明らかになった。本ニッケル(III)錯体のグアニン特異的認識能の応用として,グアニン4重鎖DNAに対する反応性を調べたところ,ループ部位のグアニンに強い反応性を示した。さらに,高次構造を有するtRNA^<Phe>に対しては,Dループの第18,19,20番目のグアニンに特に強い反応性を示し,構造特異的であることが判明した。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)