Project/Area Number |
05236224
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
池田 功 大阪大学, 工学部, 教授 (70029049)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | アセトニル化 / アセトニリデン化 / π-アリル錯体 / オキソジメチレンメタン / パラジウム錯体 / 白金錯体 / メタラシクロブチリデン化合物 |
Research Abstract |
本申請者はすでに2-位にアセタール基を持つアリル化合物2-クロロメチル-3,5-ジオキサヘキセン-1(1)の効率的な合成法と、これを用いるパラジウム触媒によるアセトニル化反応を開発してきた。本年度においては、まずこの反応ルートを確認すべくアリル化反応の中間体について検討した。化合物1と0価金属との酸化的付加反応によって2-位にアセタール基を持つ新しいパラジウム錯体(2a)および白金錯体(2b)が収率よく合成できた。この内パラジウム錯体からは、タリウムアセチルアセトナートとの反応によって上記反応の裏づけとなるアセトニル化反応中間物であるアセチルアセトナートのアリル化物を定量的に得ることができた。このアリル化反応に対して活性を示さなかった白金の錯体からは、求核剤アセチルアセトナートがアセタール部を攻撃して生成したと考えられるオキソジメチレンメタン白金錯体(3b,メタラシクロブチリデン化合物)を与えた。アセタール基が求電子性を示すことは容易には予測できないことであるが、水酸化物イオンに対してはパラジウム、白金両錯体ともオキソジメチレンメタン錯体(3)を与えた。3は塩基性を示し、酸との反応で新規な2-ヒドロキシ-π-アリル錯体を与え、この錯体は塩基によって3に再変換された。3aはノルボルナジエンと[1+2]付加環化しシクロプロパン誘導体であるアセトニリデン化物を生成した。錯体2の結晶性誘導体2-ピラニルオキシ-π-アリル錯体を新規に合成し、その結晶解析を行った所、C^2-O原子間距離が白金錯体でほぼ二重結合、パラジウム錯体でも一重と二重結合のちょうど中間の距離にあり、オキソニウムとしての性質が強いことが判明し、このアセタール基の求電子性が説明できた。
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