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¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
希土類反応剤の開発を目指して研究を進めており,本年度は希土類ルイス酸をアルドール反応の触媒に用いて検討した結果,2価のサマリウムアルコキシドがシリルケテンアセタールとアルデヒドの反応を高ジアステレオ選択的にかつ高収率で進行させることを見い出した。 まず,プロピオン酸イソプロピルの(E)-トリメチルシリルケテンアセタール(1)とベンズアルデヒドのアルドール反応を当量のYbCl_3,Yb(OTf)_3Sm(OPr^i)_3,Sm(O-menthyl)_3,SmI_2,Sm(O-1-adarnantyl)_2,Sm(O-menthyl)_2などの希土類ルイス酸触媒を用いて検討した結果,対応するアルドールが高収率で得られた。特に2価のSm(II)-メントキシドの場合にanti/syn=91:9と高いジアステレオ選択性が得られるという興味深い知見を得た。 そこで,Sm(O-menthyl)_2の濃度が収率及び選択率に及ぼす効果について調べた結果,Sm(O-Menthyl)_2の濃度が10%以上の場合は高収率と高いanti/syn比(80/20以上)が得られることが分かった。また,この触媒を用いて(1)とシンナムアルデヒド,ヘキサナールなどとの反応の結果も同様に高い収率とanti選択性が認められた。次に,(1)の(Z)-異性体とベンズアルデヒドの反応においても高いanti選択性が得られた。この様に,Sm(O-menthyl)_2触媒を用いると,(E)-体,(Z)-体いずれの出発物からもanti体が選択的に得られることが明らかになった。ここでanti(〕 SY.tautm. 〔)synの異性化はこの条件では起こらないことを確認した。この結果はCp^<11>_2YbClによる(E)-体からanti体,(Z)-体からsyn体が得られるStreitwieserらの報告と対照的である。次にエナンチオ選択性についてSm(II)(L)-メントキシド触媒を用いて検討したがアルドール生成物の光学純度は52%eeにとどまった。
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