ケテンシリルアセタールを用いる高立体選択的反応系の構築
Project/Area Number |
05236236
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
大寺 純蔵 岡山理科大学, 工学部, 教授 (20131617)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | ケテンシリルアセタール / alpha-エノン / 向山-マイケル反応 / syn-selectivity / 電子移動反応 / 立体選択性 / 遷移状態 / MO法 |
Research Abstract |
(1)我々はすでに嵩高いケテンシリルアセタールとalpha-エノンを用いるとケテンシリルアセタールからルイス酸への電子移動が抑えられて向山-マイケル反応のsyn-selectivityが改良されることを報告した。さらに電子移動反応の速度論よりチオールエステルのケテンシリルアセタール1が高い酸化電位を持つことを明らかにしているので1の向山-マイケル反応が立体選択的に進行することが期待される。その結果以下に述べるような興味ある現象が見いだされた。E体の1を用いるとanti-付加体が選択的に得られる(selectivity80-95%)。Z-1を用いると選択性が極端に低下する。とくにt-ブチルエノンに対しては91:9のsyn-selectivityを示す。このように立体選択性がケテンシリルアセタールの幾何異性に依存する例はこれまで知られていない。これらの結果は向山-マイケル反応の反応機構解明への有用な手掛かりとなるものである。 (2)向山-マイケル反応の遷移状態をMO法で計算する課程でalpha-エノン-ルイス酸錯体がlinear cordination modeを有することが分った。これは従来常識的に受け入れられてきたbent modeとは全く異なる。今後のこの種の錯体の論議にたいして重要な問題点を提起するものであろう。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)