Project/Area Number |
05237231
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
川嶋 良章 神奈川工科大学, 工学部, 教授 (60131009)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 金属カルボニル化合物 / 光解離反応 / 赤外半導体レーザー分光 |
Research Abstract |
パルス分子線中での高速帰引法を用いて反応物であるFe(CO)_5のCOの逆対称伸縮振動モードnu_6(2038.1cm^<-1>)の赤外吸収スペクトルを測定した。バッファガスにAr,Ne、He、COおよびN_2を用いると分子線での回転温度は5.6、8.5、14、32および39Kを得た。Fe(CO)_5のQ枝遷移(2038.1128cm^<-1>)に赤外半導体レーザー光を固定し、Fe(CO)_5のパルス分子線中に193nm光を照射して時間分解赤外吸収スペクトルを測定した。エキシマーレーザー光を照射するとFe(CO)_5のQ枝遷移の吸収スペクトルの強度は弱くなり、Fe(CO)_5が光分解されていることが認められた。次に、Fe(CO)_5の光解離した分子とCO分子との再結合の可能性について検討する実験を行った。193nm光によって生成したFe(CO)x(x=1,2,3,4)とCO分子との再結合による実験結果は、得られたスペクトルから確認できなかった。最後に、Fe(CO)_5の光解離による生成可能なFe(CO)_4を2000cm^<-1>と1985cm^<-1>の領域でFe(CO)_3を1950cm^<-1>でFe(CO)_2を1920cm^<-1>で赤外吸収スペクトルの測定を試みたが、光分解生成物を思われるスペクトルを見出すことはできなかった。主な原因はFe(CO)_5の蒸気圧が低いため、検出可能な濃度にまで到らなかったと考えられる。今後は、試料および分子線ノズル系を温めて蒸気圧を増やすこと、光学系を工夫し赤外半導体レーザー光との吸収光路長を稼ぐこと、サンプリングの工夫や積算などのデータ処理を行い信号とノイズとの比を改善することを行い、微弱な赤外吸収信号を検出することを行う。
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