Project/Area Number |
05238207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
木村 正廣 大阪大学, 教養部, 助教授 (40028238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桜井 誠 神戸大学, 理学部, 助教授 (90170646)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 多価イオン / 電子捕獲 / 多重励起状態 / オージェ過程 / 高電離イオン |
Research Abstract |
多価イオンが多電子標的と衝突することによって一度に複数の電子を捕獲する過程が大きな断面積で起きる。このとき中間状態として形成される多重励起状態は不安定であり、光を放射して崩壊するだけでなくオージェ電子を放出することによっても崩壊する。このような過程は高温プラズマの光放射による冷却や電荷分布を決定するのに重要な意味を持つ。オージェ過程には電子相関の効果が大きく効くはずであるが、イオンの多重励起状態に関する情報は非常に乏しいのが現状である。本研究では、電子捕獲による多重励起状態の形成過程と崩壊過程を調べることを目的とした実験を行い、古典的なモデルを使って観測された現象を説明することを試みた。 多価イオン源としては、核融合科学研究所にある電子ビーム利用多価イオン源(NICE)を使った。標的としていろいろ希ガス原子(Ne、Ar、Kr、Xe)を選び、衝突反応後の入射イオンと標的反跳イオンの価数を同時計測法で分析した。たとえばヨウ素10価イオンが2電子を捕獲した場合、オージェ崩壊をする確率が光放射する確率よりもどの標的原子についても圧倒的に大きいが、3電子以上の捕獲過程では多重オージェ崩壊の確率が標的原子によって著しく異なる。 どのようなエネルギー準位に電子を捕獲するかを見るためにイオンの運動エネルギースペクトルの観測も行った。その結果、捕獲する電子数が同じであっても形成されるエネルギー状態が崩壊過程に大きな影響をもつことが観測された。このことから崩壊過程の標的依存性が説明される。
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