助動詞・助詞の関係的意味に基づく日本語談話理解システムに関する研究
Project/Area Number |
05241205
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
中川 裕志 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (20134893)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 辰則 横浜国立大学, 工学部, 講師 (70212264)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
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Keywords | 日本語 / 助詞 / 複文 / 意味論 / 談話理解システム / 素性構造 / 単一化文法 / 自然言語処理 |
Research Abstract |
本研究の目的は、これまでに扱えなかったような文ないし談話を理解できるシステムの構築である。そのために単一化文法を基礎とするシステムを念頭におくが、そこにおいて役立つような日本語における種々の制約を形式化することがまず必要になる。このような理解システムにおける重要な機能として、ゼロ代名詞の照応があげられるが、本年度は特に複文について検討した。複文の意味とは大雑把に言って、従属節と主節に現れるいくつかの意味役割の間の関係であり、これらの関係に対する制約は助動詞、助詞、述語などの関係論的意味に基づくものと定式化した。ここで問題になったのは、a.従属節の意味役割と主節の意味役割の間の関係が複文全体を見なければ計算できないのか(大域性)、それともb.主節と従属節の間を結ぶ役割に主節ないし従属節のどの役割が関係するかは、各々主節ないし従属節のみで計算できる主節、従属節の各々で局所的に計算できるのか(局所性)、という点である。a.の場合だと成立している関係を計算するための探索範囲は複文全体だが、b.であれば探索範囲は主節、従属節の中だけに限定されるため、計算の手間が少なくて済む。したがって、b.であることが望まれるが、本年度の研究である程度限定された範囲の複文ではb.の(局所性)が成り立つことを示せた。さらに、以上述べたような意味役割に関する制約を素性構造表現上の制約として定式化し、これに基づいて単一化文法による日本語理解システムを試作した。この試作システムでは、ゼロ代名詞の参照する人物が談話中の誰であるか(例えば、話し手、聞き手、文脈において登場する人物)を相当程度絞り込むことができるようになった。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)