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¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
【.encircled1.】遺伝子工学的に得たリボヌクレアーゼRh(RNase RNAP-Rhと略)の結晶化を行い、X線回折実験に適した結晶を得て、既に得られているRNase Rhの原子座標を使用し、分子置換法によって結晶構造解析に成功した。さらに、結晶中に阻害剤(2'-AMP,3'-AMPその他)や基質類似体(dApG)を浸漬して、基質の結合様式、反応機構を明らかにする研究も行い、得られた分子モデルから、基質であるヌクレオチドの塩基はTrp49およびTyr57の2つの側鎖環によってサンドイッチされ、かつAsp51と2本の水素結合により結びつけられていることが判明した。また、基質類似体等のリン酸基はHis46,His109,His108,His104,Glu105付近に存在していることが分かり、触媒反応機構を明らかにする努力を現在進めている。 【.encircled2.】RNase RNAP-Rhの部位特異的改変体の解析は、何種類か試みたが、現在のところTyr57の改変体(Y57W)が結晶化し、その解析に成功している。Y57Wは、5'側にプリン塩基をもつジヌクレオチドモノリン酸(ApX,GpX)に対する活性が2倍になるという報告があるが、モデルから、これはTyrからTrpに置き換わったことによるスタッキング能の向上に基づくものであると結論づけられた。 【.encircled3.】時分割ラウエ法を用いて、本酵素の反応機構を動的に解析する可能性を目指して、本年度はその解析の準備を始めた。まず、ラウエ法の回折データ収集手順を学ぶ意味でHEWリゾチームを使用して予備実験を行った。ついで、平成6年3月にRNase RNAP-Rhの結晶を使用してラウエ法によるデータ収集を行う予定である。
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