Project/Area Number |
05245203
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小間 篤 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (00010950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 啓司 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (40223482)
多田 博一 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (40216974)
斉木 幸一朗 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (70143394)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 1993: ¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
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Keywords | ファンデアワールス・エピタキシー / 層状物質 / モアレ変調構造 / 走査トンネル分光 / ヘテロエピタキシー / 表面電子帯構造 |
Research Abstract |
本研究は、ファンデアワールス・エピタキシー法によって作製された層状物質による超薄膜ヘテロ構造表面の、走査型トンネル顕微鏡(STM)像に現れる、長周期モアレ変調構造の微視的解明を目標としている。平成5年度は、モアレ変調構造の各所において、STMを用いたトンネルスペクトルの測定を進めた。その一方で、モアレ変調構造の起因を追求するための基礎データとして、層状物質表面そのもの、及び極微量の金属原子を吸着させた層状物質表面の電子帯構造のSTM、トンネルスペクトル測定を行った。 MoS_2基板上にMoSe_2超薄膜を単結晶ヘテロ成長した試料のモアレ変調構造のトンネルスペクトル測定では、変調構造の明部と暗部の電子帯構造に、明らかな差異があることが確認された。この結果は、モアレ変調構造が、単純な表面の凹凸ではなく、成長した超薄膜の表面電子構造が基板から周期的な変調作用を受けた結果現れている、というモデルを支持している。 層状物質表面にSnやNa等の金属を微量吸着させた試料の測定では、STM像に、吸着によると思われる大きさ数nmの暗い班点状の模様が観察されたが、高分解能観察を行うと、その暗部の中でも、外側の明部と連続した原子像が観察された。このことは吸着した金属は表面にはとどまらずに内部に浸透し、その周辺に局在する電子構造の変調を引き起こしていると考えられる。トンネルスペクトルの測定では、フェルミ準位から+1.2Vの空準位において清浄表面のスペクトルには存在しないピークが観察されており、吸着金属原子による局所的電子構造の変化を裏付けている。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)