Project/Area Number |
05245210
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松本 卓也 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (50229556)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川合 知二 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (20092546)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 走査トンネル顕微鏡 / SrTiO_3 / 走査トンネルスペクトロスコピー / Ca_<1-x>Sr_xCuO_2 / 強相関的電子状態 |
Research Abstract |
走査トンネル顕微鏡を用いて、酸化物表面のトンネル物性について研究を行った。まずSrTiO_3(100)表面の構造・電子状態について詳細な研究を行った。その結果、超高真空中で加熱還元することにより、原子的平坦さをもつSrTiO_3単結晶の清浄表面を得ることに初めて成功した。この表面を走査トンネルスペクトロスコピーを用いて詳細に調べた結果、規則的酸素欠陥配列による表面再構成が起こっていることを明らかにした。また、その還元SrTiO_3表面と酸素分子の相互作用についても詳細に検討した。酸素分子は高真空中では還元SrTiO_3表面と吸着・脱離平衡状態にあり、酸素分子は酸素欠陥サイトに約1eVの吸着エネルギーで分子状吸着することを見い出した。またさらに酸素の被覆率を増すと、酸素欠陥を完全に酸化することがわかった。また酸化物高温超伝導体表面の構造・電子状態について研究を行った。高温超伝導体の基本構造であるSr_<1-x>Ca_xCuO_2のSTM観察の結果、銅原子のd軌道に由来すると考えられる正方格子状の原子像を捕らえることに成功した。この像は極めて強いバイアス依存性を示し、空準位では安定に観察することが出来るが、充満帯では観察できないことがわかった。またスペクトロスコピーの結果、フェルミ面付近に準位が存在することがわかった。これらの結果はこと物質の持つ、強相関的電子状態を示唆している。今後さらにキャリア濃度とSTM像およびスペクトロスコピーの関係について検討しこの物質の持つ表面トンネル物性を明らかにしていく予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)