Project/Area Number |
05245211
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山中 千博 大阪大学, 理学部, 助手 (10230509)
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Project Period (FY) |
1993 – 1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 磁気共鳴 / ESR / STM / トンネル分光 / マイクロ波走査型ESR |
Research Abstract |
走査型プローブ顕微鏡は原子サイズのtopographyを調べるのみならず、探針付近に非常に局在した空間の物理現象を調べることに優れている。もし、トンネル確率に影響を与える何らかの摂動がある場合、その領域からのトンネル電流はその影響を受ける。また、トンネルする電子をなんらかの手段で励起する事により、トンネル確率は増大する(assisted tunneling)。 磁場下で不対電子が存在する系において、マイクロ波で常磁性スピンを共鳴励起すれば、ゼーマン上準位からのトンネル遷移が増大する可能性が考えられる。Xバンド帯(9GHz)のESRでは、共鳴励起エネルギーは10^<-4>eV程度であり、トンネル電流1nAに対して、100〜10fA前後の増大にしかならない。 TE_<102>型のピンホールマイクロ波共振器(Q=3000)のピンホール部分(理想的にはマイクロ波電界=0の位置)に探針を設け、グラファイト中の伝導電子による実験を行った。本年度は、マイクロ波合成信号発生器を科研費備品として購入したことにより、従来のガンダイオード出力をバラクターで変調する場合に比べて、より高品位のマイクロ波FM変調が達成できた。しかしFM変調により入射エネルギーの時間変動を一定にできるが、実際はキャビティーの共振特性からAM成分を含む。現在のところ、トンネル電流は、マイクロ波電界変調による電子のエネルギー分布の変化を反映した信号を含んでいる状況である。これに対しては、今後局所マイクロ波化などで対応する。また、パルスESR法を用いて、自由誘導減衰中のスピン系のトンネル電流変化の追跡を行なう。また、これとは別に、走査型esr顕微鏡の感度に関して、ループギャップ共振器をピンホール共振器に組み合わせる方式を開発し、従来の2倍程度の性能向上を得た。これを用いたesr-stmに関し研究を進める予定である。
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