Project/Area Number |
05245218
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
吉信 淳 理化学研究所, 表面化学研究室, 研究員 (50202403)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関根 理香 東京工業大学, 理学部, 助手 (50211321)
川合 真紀 理化学研究所, 表面化学研究室, 主任研究員 (70177640)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | 共鳴トンネリング / 吸着分子 / 表面化学反応 |
Research Abstract |
固体表面上に吸着した個々の分子をSTMで観察するためには,室温では分子の動き(束縛振動,表面拡散など)が大きくなるので個々の分子像を得るのは難しいことが多い。そこで,試料温度を下げ熱励起を抑える必要がある。また,ポテンシャルエネルギーに関する情報(吸着エネルギー,吸着サイト間の障壁など)や温度に依存する表面物性を測定するためには,温度可変でSTM測定できることが望ましい。本年度は低速電子回折(LEED)/オージェ電子分光(AES),四重極質量分析計(QMS)およびSTMを備えたUHVシステムを設計試作した。Si(100)表面の原子レベルのSTM像が得られ,室温付近では問題なくSTMが動作することが確認された。現在,液体窒素による試料冷却システムを開発中である。一方,金属表面に吸着した分子の動的ふるまいを理解するためにNi(100)表面におけるCOをTR・IRASによって研究した。Ni(100)ではCOはターミナルサイトとブリッジサイトに吸着することが知られている。吸着状態の温度依存性を詳細に測定し,束縛並進モードを考慮した統計力学的解析により,吸着状態の安定性は吸着エネルギーだけでなく振動エントロピーが大きな役割を果たしていることを明らかにした。また、ターミナルサイトとブリッジサイト間のホッピング速度を測定した。吸着-脱離過程をTR・IRASでリアルタイム観察し,脱離の活性化エネルギー,頻度因子を得た。さらに,吸着平衡下では最近接サイト間のCOの相互作用により,脱離の活性化エネルギーが著しく下がることがわかった。以上の研究から得られた吸着分子の動的ふるまいに関する知見は,金属表面上に吸着した小分子(COなど)をSTMなど局所プローブ法で研究するために不可欠な情報である。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)