痛みの伝達に関与する未知のペプチドの検索とその生化学的研究
Project/Area Number |
05248210
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
寒川 賢治 国立循環器病センター研究所, 生化学部, 部長 (00112417)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | ヒト褐色細胞腫(THP-1) / ラット血小板 / cAMP / アドレノメデュリン / cDNAクローニング / pro AM-N20 降下活性ペプチド |
Research Abstract |
我々は本研究で、哺乳類の生体内に存在し情報伝達に関与する未知の生理活性ペプチドを明らかにする目的で、ラット血小板中のcAMP増加活性を指標としたin vitroのアッセイ系を確立し、これを用いて哺乳類の種々の組織およびヒト腫瘍組織について生理活性ペプチドの系統的検索を行った。 その結果、ヒト褐色細胞腫瘍組織より血小板cAMPを増加させる新しいペプチドを発見し、その単離,構造決定を行い、これを“adrenomedullin(アドレノメデュリン)"(AM)と命名した。AMは52個のアミノ酸よりなり、分子内に一個のジズルフィド結合とC末端アミド構造を有するペプチドで、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)とアミノ酸配列上一部ホモロジーが認められるが、全く新しい生理活性ペプチドである。AMはラットに経静脈投与した時、強力で長時間持続する降圧活性を示し、また血中にもかなりの濃度存在するより新しいホルモンと考えられる。 さらに、cDNA解析によるAM前駆体構造解析の結果、AM前駆体タンパク質のN末端部にC末端アミド構造を持つ20残基の新たな生理活性ペプチド候補の存在することを見出し、このペプチドを“pro-adrenomedullin N20"(proAM-N20)と名付けた。AM前駆体mRNA発現は、主に副腎,肺,心臓,腎臓に見られるが、脳神経系にも存在することからこれらの2種類の新規ペプチドの生体内情報伝達系における役割が注目される。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)