大腸菌染色体複製開始における転写およびDnaA蛋白の機能
Project/Area Number |
05249209
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小川 徹 名古屋大学, 理学部, 助教授 (80109256)
|
Project Period (FY) |
1993
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Keywords | DNA複製 / oriC / DnaA box |
Research Abstract |
大腸菌染色体およびoriCプラスミドの複製開始は転写反応に依存している。oriCプラスミドの場合にはoriCの両隣のgidおよびmioCプロモーターが複製活性化に関与している。染色体の複製開始に関与するRNAもgidおよびmioCプロモーターからの転写産物か否かを検討するために両プロモーターを同時に欠失させた菌株を作成した。欠失株は変異や宿主菌株の違いによってとれる場合ととれない場合があり、とれた場合についても、mioCプロモーターからの転写が若干回復している例がみられた。今ののところ野生株に比べて変異株の表現型に顕著な変化は検出されていない。現在、得られた変異株の解析と新たな変異株の作成を行なっている。 gidおよびmioCプロモーターからの転写はいずれも緊縮調節を受けていることが判明した。従ってこれらの転写は増殖速度によっても制御されていると予想される。一方、両プロモーターからの転写は細胞周期に依存して厳密に制御されていることが判明した。開始反応はmioC遺伝子の転写により阻害されるが、開始直前にDnaA蛋白によりこの転写が抑制され、開始可能な状態となる。従ってDnaA蛋白の活性の変動が開始時期決定に関与していると考えられる。 DnaA結合配列はoriC以外にも多数存在し、転写抑制などに働いている。我々は小原ライブラリー中でDnaA蛋白が結合するクローンを多数同定し解析を行なっている。ald遺伝子のプロモーター領域にはコンセンサス配例とは全く異なるDnaA結合配列が存在する。また染色体地図95分付近には4つのDnaA結合配列が近接して存在し、未知の遺伝子の発現調節を行なっている。この領域は多コピープラスミドにクローン化できず、低コピープラスミドにクローン化した場合は、細胞がフィラメント化する。またこの遺伝子の破壊株では突然変異発生率が約10倍上昇する。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)