Project/Area Number |
05251215
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
田中 英明 熊本大学, 医学部, 教授 (90106906)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 運動ニューロン / レセプター / チロシンキナーゼ / 細胞死 / 栄養因子 |
Research Abstract |
レセプター型チロシンキナーゼは増殖因子、栄養因子のレセプターとして働く。例えば、NGF,BDNF,NT-3などNGFファミリーに対しては、レセプター型チロシンキナーゼであるTrkファミリーがレセプターであることが明らかにされている。運動ニューロンにおける発生初期の細胞死や、傷害後の細胞死をBDNFやNT-3がある程度阻止することが最近報告され、BDNFやNT-3が運動ニューロン栄養因子として働いていると考えられているが、NGFファミリー以外の栄養因子が存在する可能性も残る。 我々は運動ニューロン細胞表面を特異的に認識するモノクローナル抗体SC1を用いたパンニング法により、ニワトリ胚脊髄から運動ニューロンを精製し、RNAを抽出し、RT-PCR法により運動ニューロンに特異的に発現するチロシンキナーゼ群のcDNAをクローニングした。その中でTrkファミリーに含まれない異なるサブタイプのレセプター型チロシンキナーゼが、in situ ハイブリダイゼーションにより上肢と下肢を支配する運動ニューロンに特異的に発現することを見出した。PCRで得たクローンを用い、全長のcDNAをクローニングし、COS細胞に発現させたところ、自己のチロシン残基をリン酸化することがわかり、運動ニューロンにおいてもチロシンキナーゼとして機能していると推定された。さらに、胚全体のin situハイブリダイゼーションから、この分子はいろいろな組織に発現しており、上肢、下肢の肢芽にも同じチロシンキナーゼが強く発現していることを見出したことから、肢芽中にこのレセプター型チロシンキナーゼのリガンドが存在すると推定された。今後は、肢芽中に存在すると考えられるリガンドを同定し、レセプターのリガンド結合部位に結合する機能阻害モノクローナル抗体を開発することなどにより、これらの分子が運動ニューロン栄養因子ならびにそのレセプターとして働いているかどうかを明らかにする予定である。
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