神経細胞死におけるリソゾームシステインプロテアーゼの役割
Project/Area Number |
05251219
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
内山 安男 岩手医科大学, 医学部, 教授 (10049091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和栗 聡 岩手医科大学, 医学部, 助手 (30244908)
谷口 和美 岩手医科大学, 医学部, 助手 (00171843)
似鳥 徹 岩手医学大学, 医学部, 講師 (90128934)
小野寺 悟 岩手医学大学, 医学部, 講師 (40137493)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 脳虚血 / 遅発性神経細胞死 / アポトーシス / システインプロテアーゼ / 海馬CAI錐体細胞 / PC12細胞 / bcl-2 / アポトーシスの回避 |
Research Abstract |
本年度の研究では以下の点に成果が得られてた。 1)砂ネズミ前脳短時間虚血モデル (1)自家融解小体の形成:虚血後のCA1錐体細胞においてはシステイン系蛋白分解酵素として知られるカテプシンB,H,Lの抗体で染めだされるリソゾームの数と大きさが増す。特に、3日後になると、細胞質蛋白の分解シグナルとして知られるユビキチンを取り込んだリソゾームが多く現われる。このことは、錐体細胞において自家融解小体を盛んに形成して、細胞質の蛋白や構造を壊していること示唆している。(2)CA1錐体細胞の死:自家融解小体を形成する虚血3日後になると、錐体細胞は急激に萎縮する。そこで、核の変化をみる目的でin situ nick end labelingを行なった結果、虚血3日後になって初めて錐体細胞の核のDNAは断片化し、4日後になると断片化した核は錐体細胞の樹状突起にまで拡散することが分かった。この時期のCA1錐体細胞を電子顕微鏡的に観察すると、核のクロマチンが凝縮し、さらに、ミクログリアの周囲にはクロマチンが凝縮し、縮小した核を持ったアポトーシス小体が認められた。そこで、対照群、虚血1日、2日、3日、4日後のCA1錐体領域を含む海馬を切り出し、genomic DNAを抽出し、電気泳動したところ、4日後のサンプルにのみオリゴヌクレオゾームに断片化したDNAがみいだされた。さらに、変性した細胞の運命をみるために、グリファニア-レクチン(ミクログリアの染色)とDNAのnick end labelingの二重染色をした結果、虚血4日後に断片化したDNAを取り込んだミクログリアが多数みいだされた。これらの結果は、遅発性神経細胞死は壊死ではなくアポトーシスであることを示している(投稿中) 2)アポトーシスの回避:私達は、1)の(2)の結果に注目し、アポトーシスを回避する因子を探索する目的で、in vitroの系で実験を試みた。原型癌遺伝子としてクローニングされたbcl-2は、リンパ球系細胞のアポトーシスを強力に阻止する。この遺伝子をPC12細胞に組み込んだ結果、無血清培地でもPC12細胞は細胞死に陥ることはなかった。さらに、興味あることは、無血清培地で死を回避されたPC12細胞はNGFが存在しないにもかかわらず神経突起を伸長し、神経様細胞に分化した(投稿中)。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)