ラット肝セリンアミノ転移酵素の細胞内二重局在を規定する分子機構
Project/Area Number |
05252214
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
小田 敏明 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (90126805)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 千晴 浜松医科大学, 医学部, 助手 (60223567)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | セリンアミノ転移酵素 / オルガネラ局在化機構 / 転写調節 |
Research Abstract |
(1)ミトコンドリア(Mt)移行配列の長さとSPTの高次構造、活性との関係 種々の長さのMt移行配列(MTS)を持つSPT前駆体の大腸菌体内発現組み換え体を作製し、発現された蛋白質の量、酵素の比活性の比較を行った。用いた組み換え体はpRspt1AA(完全なSPTm前駆体をコード),pRspt3AA(β-GalのN末端7アミノ酸にSPTm前駆体のArg(3)以降の配列が結合した融合蛋白質をコード),pRspt11AA(β-GalのN末端8アミノ酸にSPTm前駆体のThr(11)以降の配列が結合),pRspt10(β-GalのN末端7アミノ酸にSPTm前駆体のAsn(22)以降の配列が結合)の4種である。MTSを含む融合蛋白質は成熟型SPTと同程度の比活性を持っていたが、MTSを多く含むほど発現量が少ない、すなわち蛋白質として不安定であることがわかった。完全なSPTm前駆体をコードしたクローン,pRspt1AAでは蛋白質、活性いずれもまったく発現が見られなかった。また無細胞翻訳系で合成した前駆体SPTと成熟型SPTをProteinase K消化したところ、前駆体が優先的に消化された。これらの結果はMTSの存在がSPT酵素分子の高次構造に大きな影響を与えていること、いいかえればMTSの存在によりSPTがプロテアーゼに対し高感受性のほぐれた状態になることを示唆している。 (2)転写開始位置の決定機構の解析 典型的なTATA Boxを持たない下流のプロモーター(+66より転写)の最小機能配列を推定するために、解析する組換え体のSPT遺伝子プロモーターの3'側は+105に固定し、5'上流からの順次欠失組換え体を作製した。プロモーター活性は+36〜+105でも見られたが、-52〜+105で最大活性を示した。+9〜+105にはTATA-lessプロモーターの一つとして提唱されているHIP1(Housekeeping initiator protein1)の結合するコンセンサス配列、ATTTCN(1-30)GCCAが存在しているが、-52〜+105まで含まないと最大活性が出ないことよりHIP1配列のみでは下流プロモーターの至適活性の発揮には不十分であると考えられた。一方、上流からの転写は-194〜+36で最大となるので、-107〜+36に含まれるCCAAT Box,TATA Box以外に-107〜-194に含まれる別のエレメントが最大活性を出すために必要であろうと推論された。また上流のプロモーターの活性は下流のプロモーターの活性の1/10以下であることが明らかとなり、これは未処理ラット肝のRNAブロット解析で得られた結果と一致する。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)