ミトコンドリア病におけるDNA診断法の開発と病態の解明
Project/Area Number |
05253221
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
宝来 聴 国立遺伝学研究所, 総合遺伝研究系, 助教授 (40126157)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
埜中 征哉 国立遺伝学研究所, 国立精神・神経センター神経研究所・微細構造研究部, 部長 (80040210)
|
Project Period (FY) |
1993
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
|
Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
|
Keywords | ミトコンドリア脳筋症 / ミトコンドリアDNA / 点突然変異 / tRNA / PCR / ミスマッチプライマー / ヘテロプラスミィー |
Research Abstract |
ミトコンドリア脳筋症MELASにおいては、tRNA・ロイシン(UUR)遺伝子の塩基番号3243の変異が約80%の患者に、同遺伝子上の塩基番号3271の変異が10%の患者に見い出されている。しかし、約10%の患者はいずれの変異も検出されていない。昨年、白人患者においてND4遺伝子上の塩基番号11084におけるA→G置換が報告された。本研究では、この11084変異に関する検討を行なうとともに、3243および3271の検出されない症例に関して、全tRNA領域の塩基配列の解析を行なった。 11084変異:日本人のミトコンドリア脳筋症患者計90例について、この変異をミスマッチプライマーを用いたPCRおよびNheI消化により検討した。その結果、3例のMELAS患者、4例のCPEO患者および分類不明のミトコンドリア脳筋症患者2例にこの変異が観察されたが、いずれもホモプラスミィーの変異であった。さらに正常対照105例を検討した結果、15例(14%)にホモプラスミィーな変異として見い出された。この結果、11084変異は白人においては極めて頻度が低く、日本人では高頻度に存在する正常の多型である可能性が高く、MELASに特異的な変異でないと結論した。 3291変異:典型的MELAS症状を呈し、かつ3243および3271変異の検出されない6例に関して全tRNA領域の塩基配列を決定した。その結果、1例において新たにtRNA・ロイシン(UUR)遺伝子上の塩基番号3291におけるT→C変異を見い出した。ミスマッチプライマーを用いたPCR-BamHI消化によって、この変異はヘテロプラスミィーとして見い出されること、および3243あるいは3271変異を有するMELAS患者および正常対照には見い出されないことより、本邦MELAS患者における第3の変異と考えられた。またこの変異はtRNA・ロイシン(UUR)遺伝子における2次構造上では、T〓Cループの最後の塩基で、生物進化上も厳密に保存されていることが明らかとなった。
|
Report
(1 results)
Research Products
(14 results)