大腸菌RecA蛋白質によるヌクレオフィラメント形成機構の解析
Project/Area Number |
05255206
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
堀井 俊宏 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (80142305)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | 相同的組換え / 大腸菌 / RecA蛋白質 / DNA結合部位 / 部位特異的変異導入 |
Research Abstract |
RecA蛋白質が行なうDNA鎖交換反応は、RecA蛋白質がATP存在下で単鎖DNAに結合してできるヌクレオフィラメントを介して行なわれ、このフィラメントの構造は、DNA鎖交換反応において重要な役割をする。このフィラメント上に存在する、siteI,siteIIと呼ばれる二つのDNA結合部位についてこれまで解析を行なってきた。平成5年度においては以下の実験を行なった。まず、クロスリンクの条件の検討を行なった。SiteIにのみDNAが結合しているヌクレオフィラメント(DNA-RecA-ATPγS複合体)に紫外線を照射した結果、Tyr103に加えて、アミノ酸残基178-183番目の領域内にもクロスリンクが架かった。この領域は、RecA蛋白質の立体構造に於てDNA binding wingと比較的近い位置にあるため、DNA binding wingに結合したDNAが、近接するこの領域にクロスリンクしたと考えられる。次に、Tyr103がDNAとの相互作用に関与しているかを調べた。Tyr103がトリプトファンに変化した変異型RecA蛋白質(RecA-Y103W)を部位特異的変異導入により作成した。トリプトファン残基の蛍光は回りの環境によって変化するため、DNAと相互作用していれば、その蛍光の変化が期待される。RecA-Y103W蛋白質のトリプトファンの蛍光を測定した結果、Tyr103に対応する残基(Trp103)の蛍光がDNAの結合により大きく変化し、RecA-Y103W蛋白質のTrp103はDNAと相互作用していることが明らかになった。その蛍光の変化の仕方から、DNAの塩基と塩基の間への挿入という非常に強い相互作用ではなく、比較的弱い相互作用であることが分かった。また、RecA-Y103W蛋白質の細胞内、試験管内に於ける活性を野生型RecA蛋白質と比較したところ、ほとんど変わらないことが示された。従って、野生型RecA蛋白質に於いて、Tyr103はDNAと相互作用している事が分かった。上記の研究成果はJournal of Biological Chemistryへの発表にむけて、2編の論文として、現在投稿準備中である。
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Report
(1 results)
Research Products
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