Project/Area Number |
05256216
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
熊田 衛 東京大学, 医学部(医), 教授 (00110487)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑木 共之 東京大学, 医学部(医), 助手 (80205260)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 血管運動ニューロン / エンドセリン / 吻側延髄腹外側部 / 延髄腹側表面 / 電気泳動投与 / 中枢性循環・呼吸調節 |
Research Abstract |
我々のこれまでの研究から、エンドセリン(ET)が中枢性循環・呼吸調節を修飾すること、その作用部位として血管運動中枢とされる吻側延髄腹外側部(rostral ventrolateral medulla;RVLM)に隣接している延髄腹側表面が下部脳幹では最も重要であることが既に明らかになっている。本研究の目的はこれをさらに進めてニューロン単位でETの作用を検証することであった。実験は麻酔、非動化、人工呼吸したラットを用いた。血管運動ニューロン(vasomotor neuron;VMN)の同定は、自発活動の存在、動脈圧受容器からの入力、脊髄中間外側核の刺激による逆行性興奮などの生理学的指標の確認と、記録ニューロンがRVLMに存在することの組織学的確認によって行った。VMNの大多数(19/21;90%)は、ET-1の電気泳動投与によって興奮した。ET-1投与の通電量を増やすと、42%(8/19)のVMNで更に大きな興奮とそれに引き続く抑制反応が観察された。これらの反応はET-1を大槽内投与または延髄腹側表面に局所投与した時の血圧、心拍数、VMN活動の変化と良く一致していた。一部のVMN(2/21)はET-1の投与に反応しなかった。また、RVLMに存在する呼吸関連ニューロンの大多数(20/27;75%)は、ET-1の投与によって、低用量では興奮反応、高用量では興奮とそれに引き続く抑制反応という、VMNの場合と同様の反応を示した。循環・呼吸には無関係の痛覚関連ニューロンの大多数(9/10;90%)は、ET-1に反応しなかった。ETに対する反応性の有無は、RVLMにおけるニューロンの存在部位よりもニューロンの種類との相関の方が強かった。以上から、RVLMに存在するVMNおよび呼吸関連ニューロンの多くはET-1に直接反応することが知れた。これらの結果から、脳脊髄液中および細胞外液中のETは、RVLMのVMNおよび呼吸関連ニューロンの活動変化を介して循環・呼吸調節に関与する可能性があると考えられた。
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