平滑筋細胞における平滑筋型と非筋細胞型ミオシン重鎖の遺伝子発現制御機構
Project/Area Number |
05256218
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
永井 良三 東京大学, 医学部(病), 助教授 (60207975)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中原 賢一 東京大学, 医学部(病), 医員
西村 敬史 東京大学, 医学部(病), 医員
黒尾 誠 東京大学, 医学部(病), 医員
|
Project Period (FY) |
1993
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
|
Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
|
Keywords | 血管平滑筋 / ミオシン / SMI / SMemb / プロモーター |
Research Abstract |
平滑筋細胞の増殖は動脈硬化病変の形成や動脈血行再建術後の再狭窄において重要な役割を演じている。我々は、平滑筋細胞に認められる4種のミオシン重鎖のcDNAクローニングを行ない、平滑筋の分化・増殖におけるミオシン重鎖の発現の変化を検討してきた。その過程で、非筋型ミオシン重鎖であるSMembの発現が再発現し、平滑筋特異的ミオシンSMIが消失する。そこで我々はまずSMembとSMI遺伝子のプロモーター領域を単離し、発現調節機構について検討した。さらに多分化能を持つマウス胎児癌細胞であるP-19細胞に着目して、平滑筋細胞への誘導を試みた。 ウサギゲノムライブラリーよりSMemb遺伝子の第1エクソンとその周辺をクローニングした。ウサギSMemb遺伝子のプロモーター領域にはTATAboxや反復するGCboxは存在しなかった。 SMemb遺伝子プロモーターには、-105bpと-99bpの間に重要なポジティブエレメントが存在した。ゲルシフトアッセイ、DNaseIフットプリントアッセイで、この領域にSMemb発現を正に調節するcis-elementが存在することが示された。 SMI遺伝子についてはプロモーター領域を単離し、その塩基配列を解析した。SMI遺伝子はSMemb遺伝子と異なりTATAboxを有し、E-Box、Mef-2ないしMef-3様の配列が見出された。本プロモーターを初代培養平滑筋細胞や後述のP19細胞に導入することにより、平滑筋特異的遺伝子発現を調節している因子の解析が可能になると期待される。 P-19細胞はレチノイン酸、DMSO等の処理により、平滑筋細胞、心筋細胞、神経細胞等に分化が誘導されることが知られている。我々は神経細胞への分化に関与する転写因子であるBm-2の発現を抑制した細胞系を用いた検討により、高レチノイン酸下で高率にSM1を発現する平滑筋細胞に分化させることが可能であることを確認した。 これらの結果は、平滑筋の増殖と分化を遺伝子発現制御という高次のレベルで検討する上で重要な手掛かりを提供するものである。
|
Report
(1 results)
Research Products
(4 results)