内皮由来弛緩因子(EDRF)による血管平滑筋弛緩の機序の研究(Cyclic GMP/G-kinaseによるリン酸化の基質となる240 KDaタンパク質の役割の解明)
Project/Area Number |
05256219
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
今井 昭一 新潟大学, 医学部, 教授 (60013869)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 豊 新潟大学, 医学部, 講師 (40182795)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | cGMP / G-kinase / ブタ大動脈平滑筋 / Calmodulin / 240 kDaタンパク / Heparin / IP_4 / IP_3受容体 / Concanavalin A |
Research Abstract |
ニトログリセリンを代表とする所謂亜硝酸薬、血管内皮細胞由来弛緩因子、心房性利尿ペプチド等は、guanylate cyclaseを活性化し、cGMP濃度上昇を起こして作用すると考えられているが、cGMP以降の機序に関しては、cGMP依存性タンパク質リン酸化酵素(G-kinase)による細胞膜Ca^<2+>-pumpの活性化が考えられているものの、なお不明な点が多い。我々は、G-kinaseの基質となりG-kinaseによる細胞膜Ca^<2+>-pumpの活性化に関与するタンパクの同定を目標に研究を進め、Ca^<2+>-pump自身はG-kinaseの基質でなく、Ca^<2+>-pumpの活性化と密接に関係したリン酸化は、分子量240 kDaのタンパクに起る事を見出したが、その後、膜内在性と考えられるこのタンパクが、calmodulin、concanavalin A、heparinに結合する性質を持つ事がわかり、Triton X-100で可溶化後、3段階(calmodulin、concanavalin A、heparin)のaffinity chromatographyを行う事により、SDS-PAGE上、殆ど単一のバンドを示す所まで精製する事ができる様になった。そこで、精製タンパクのアミノ酸配列について予備的な検討を行った所、アミノ酸21個の配列がラット及びマウスの小脳IP_3受容体の配列と完全に一致する断片が見出されたので、同じくheparin結合性で、分子量の良く似た糖タンパクであるinositol 1,4,5-trisphosphate(IP_3)受容体と比較しながら、IP_3結合性について検討を行った。その結果、IP_3を単一の部位に高い親和性で結合する事(IP_4の親和性は、IP_3の約1/60)、結合の比活性は精製と共に上昇する事、結合はIP_3受容体の拮抗薬であるheparinで、完全に抑制される事、等が明かとなった。240 kDaタンパクは、蔗糖密度勾配遠心分離で、IP_3結合活性と常に行動を共にするし、小脳から精製したIP_3受容体とほぼ同じ位置に沈降する。一方、240 kDa蛋白質に比べると程度は明らかに弱いが、小脳のIP_3受容体も、G-kinaseによってリン酸化されるので、240 kDaタンパクは、IP_3受容体ファミリーの一員であろうと考え、更に検討中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)