血管壁の二次元及び三次元組織の再構築過程及び人工組織体の細胞バイオメカニクス
Project/Area Number |
05256235
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
松田 武久 国立循環器病センター研究所, 生体工学部, 部長 (60142189)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高市 成子 国立循環器病センター研究所, 病因部, 室員 (00093930)
中山 泰秀 国立循環器病センター研究所, 生体工学部, 室員 (50250262)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 血管内皮 / 人工組織体 |
Research Abstract |
血管壁は異種細胞の階層構造よりなり、それぞれ機能を分担して恒常性を保っている。内皮細胞は二次元、平滑筋細胞は三次元の組織体を形成している。病変血管や損傷を受けた血管の組織再構築やin vitroで血管壁を人工基材の上で再構築するハイブリッド人工血管などの研究にはこれらの細胞による二次元及び三次元組織化過程のバイオメカニクス的研究が必要である。 人工血管に内皮細胞と人工基底膜を組み込んだ内膜モデル(Model I)、及び上述の内膜の下層に平滑筋細胞を含む人工中膜層を階層的に組み込んだ内膜/中膜モデル(Model II)及び外側に繊維芽細胞を組み込んだ内膜/中膜/外膜モデル(Model III)をin vitroで構築し、in vivo実験による機能発現と構造化を調べた。Model Iでは移植早期において、一部分白血球の内膜層への接着・侵入がみられるが、6ケ月の慢性期では血管壁構造と類似した組織化がおこった。一方、Model II及びIIIでは、白血球の内膜下への侵入は認められず、内皮細胞層の血流下での安定性はModel Iよりも高かった。経日的にいずれのモデルも平滑筋細胞はコンプライアントな人工血管の円周方向へ配向し、内皮細胞は血流方向(人工血管の長軸方向)へ配向した。透過電顕で平滑筋細胞の超微細構造をしらべると、経日的に合成型から収縮型へと形質変換したが、この変化はモデルIIIの方がIIよりも速かった。平滑筋細胞の増殖による内膜肥厚は生じなかった。エラスチン及びコラーゲンの層状化の形成時期はModel III>Model II>Model Iの順であった。 以上のように、内皮細胞層の安定性の増大により、非凝固性は著明に促進し、また階層性構造化に加えて、細胞の配向性は高次の組織化をもたらした。平滑筋細胞の形質変換は、(1)in vivoにおける環境因子(体液性及び内皮細胞との細胞間相互作用)、(2)拍動及び(3)三次元環境による細胞の形態などの諸因子によるものと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)