Project/Area Number |
05257201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大原 雅 北海道大学, 農学部, 助手 (90194274)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 受粉様式 / 訪花昆虫 / 訪花頻度 / エゾエンゴサク / オオマルハナバチ / 訪花時間 |
Research Abstract |
虫媒花においては花粉媒介昆虫の訪花行動が、種子結実に大きな影響をおよぼす。林床性の春植物エゾエンゴサクは総状花序を持ち、各花には蜜腺が存在し、分泌された蜜は距に蓄えられる。この植物は自家不和合性で、受粉は越冬明けのオオマルハナバチの女王の訪花によって行なわれる。そこで、この両者の密接な関係を利用し、エゾエンゴサクの種子結実におよぼすオオマルハナバチの訪花行動(訪花頻度と滞在時間)を調査した。 調査は、札幌市郊外の野幌森林公園において行なった。開花前の4月中旬、エゾエンゴサクが優占する林床に5m×5mの調査区を設定した。調査区内のすべてのエゾエンゴサク(358個体)について個体当たりの花数および個体の位置を記録し、マーキングを施した。その後、開花期の5月3日〜11日の9日間、毎日5時〜19時の14時間、調査区内のエゾエンゴサクに訪花するオオマルハナバチを追跡し、個体当たりの訪花回数および滞在期間を調査・記録した。結実期(6月上旬)にマーキングした個体を採集し、種子結実率を算出した。 その結果、エゾエンゴサク1個体当たり0〜24回(平均9.4回)の訪花が観察され、花数が多い個体ほど、より多くの訪花を受ける傾向が認められた。さらに花数が多い個体ほど高い種子結実率を示した。しかし、1回の訪花当たりの滞在時間と種子結実率との関係を見たところ、1分間未満の短時間訪花の回数が増加しても結実率は増大せず、多くの花を持つ個体で見られる高い種子結実は、数回の長時間滞在(1分間以上)によってもたらされていることが明らかになった。従って、多くの花を持つエゾエンゴサク個体は、オオマルハナバチの女王に対してより大きな目印と、より多くの報酬(蜜)を提供するため、より長時間の訪花を受け、高い種子結実を示すものと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)