分子育種技術を基盤にしたグリシニン機能的サブユニットの効率的集積
Project/Area Number |
05258206
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤原 徹 東京大学, 農学部, 助手 (80242163)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | ダイズ / 種子貯蔵タンパク質 / 遺伝子発現制御 / 形質転換植物 / シロイヌナズナ / β-コングリシニン / イオウ栄養 / トランス因子 |
Research Abstract |
本研究はダイズ種子貯蔵タンパク質遺伝子の栄養条件に応答した発現調節機構の解明を通じて、機能性分子の効率的蓄積に寄与することが目的である。本研究者らはダイズ未熟種子in vitro培養系にメチオニンを加えるとグリシニンの集積量が増加することを見いだした。ダイズ種子貯蔵タンパク質のもう一つの主要成分であるβ-コングリシニンのうちβサブユニットはメチオニンを添加しイオウ栄養を豊富にすることによって蓄積量が減少する。逆にダイズをイオウ欠乏条件で育てると、比較的イオウ含量の高いグリシニンの蓄積量が減りβ-コングリシニンβサブユニットの蓄積量が増えることが知られている。このようにダイズはイオウ栄養条件に応じて種子貯蔵タンパク質の組成を変化させイオウを効率よく蓄積する適応機構を持っていると考えられる。この様なイオウ栄養に応じ種子貯蔵タンパク質集積を変化させる現象は他の植物でも知られている。 本研究ではまずイオウ栄養に応答したダイズ種子貯蔵タンパク質の発現制御系が異種植物であるペチュニアにも存在することを遺伝子導入、形質転換植物を用いて明らかにした。このことはイオウ栄養に応答した遺伝子発現制御機構が高等植物間で共通であることを示している。βサブユニット遺伝子プロモータ領域がシロイヌナズナにおいてもイオウ栄養に対して応答を示したことから転写レベルでの制御が重要であることを明らかにした。さらにプロモータの5′欠失変異体8個を作製しGUS遺伝子に連結しシロイヌナズナに導入し得られた形質転換体について導入遺伝子についてホモと思われる株を選抜した。遊離メチオニンを野生株の約50倍蓄積するシロイヌナズナ変異株mtol-1にトランスジェニックシロイヌナズナの花粉を掛けあわせ得られた種子のGUS活性を測定し、メチオニン処理に対する個々の欠失変異プロモータの応答を調べたところ、転写開始点から442塩基上流を含むプロモータがメチオニン応答に必須であることが明らかとなった。また、イオウ欠乏条件での水耕栽培より、転写開始点から307塩基が発現誘導に十分であることを明らかにした。また、ダイズ子葉中に存在する4つのDNA結合因子のうちSoybean Embryo Factor4の活性がメチオニン処理により低下することが明らかとなった。SEF4結合配列は転写開始点から442塩基を含む断片に存在し、メチオニンによる発現制御に関与していることが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)