機能性を強化・付与した大豆タンパク質を分子設計するためのX線結晶構造解析
Project/Area Number |
05258213
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
内海 成 京都大学, 食糧科学研究所, 助教授 (40111976)
|
Project Period (FY) |
1993
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
|
Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
|
Keywords | 大豆タンパク質 / グリシニン / 結晶化 / X線結晶構造解析 |
Research Abstract |
大豆タンパク質の主要成分であるグリシニンは血中コレステロールの含量を低下させるなどの生理的に意義のある機能を持っている。このような機能を強化したり、新しい機能を付与した理想的な機能性食品を分子設計するためには、グリシニンの高次構造のX線結晶構造解析による解明が要求される。大豆から調製したグリシニンには多型性があるために結晶化が困難であるが、グリシニンcDNAを大腸菌に発現させて得られるものはプロ型ではあるけれども均一であるので結晶化が容易であろうと考えた。そこで、プログリシニンの結晶化とX線構造解析を行なった。 1.大腸菌で生産したプログリシニンを純度95%以上に精製し、その結晶化を透析法及び蒸気拡散法を用いて試みた。その結果、トリス塩酸緩衝液に対して透析することにより、X線結晶解析に供しうる結晶を得た。 2.予備的なX線解析の結果、本結晶の分解能は2.9オングストロームであり、晶系は正方晶系、空間群はP4_1あるいはP4_3、格子定数はa=b=115.2A、c=147.1Aであった。また、非対称単位当たりのプロトマーの数は約3個であり、プログリシニンが3量体であることと一致した。 3.重原子同形置換法に必要な重原子誘導体の調製を試みたところ、パラクロロメルクリ安息香酸、テトラクロロ白金(II)酸カリウムが有効であることを見い出した。Native及び重原子誘導体の回折強度を求め、重原子位置を決定するとともに、6オングストロームレベルでのバルサーモデルの構築に努めている。 以上のように、グリシニンのX線結晶構造解析に成功した。今後高分解能の解析を進めていく。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)