好アルカリ性細菌の呼吸鎖末端酸化酵素の分子構造とプロトンポンプ活性
Project/Area Number |
05259207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
福森 義宏 東京工業大学, 生命理工学部, 助教授 (60135655)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | チトクロムc酸化酵素 / アルカリ性細菌 / プロトンポンプ活性 / 銅 |
Research Abstract |
絶対アルカリ性細菌Bacillus YN-1から呼吸鎖末端酸化酵素を電気泳動的均一にまで精製し、その分光学的性質および分子的性質を明らかにした。また、すでに精製されている通性アルカリ性細菌Bacillus YN-2000のaco型チトクロムc酸化酵素との比較生化学的研究を行なった。絶対アルカリ性細菌Bacillus YN-1の呼吸鎖末端酸化酵素は酸化型で412nm、還元型で442、522、550および597nmにそれぞれ吸収極大を示した。またCO結合型酵素は420、520、550、595nmに吸収極大を、438nmに肩を示した。これらの分光学的特徴は本酵素がcaa_3型であることを示唆し、ヘムの分析結果からも確認された。本酵素はチトクロムc酸化酵素活性を示し、その至適pHは6.5、Vmaxは2.9sec^<-1>、Kmは1.8μMであった。至適pHおよびKmはaco型チトクロムc酸化酵素と相同であったが、Vmaxは約1/10であった。また、精製酵素は分子量53000、46000の2種類のサブユニットからなり、aco型チトクロムc酸化酵素とほぼ同じ分子量のサブユニットから構成されることが明かとなったが、抗aco型チトクロムc酸化酵素抗体とは全く免疫交差しないことから、両サブユニットともaco型酵素のサブユニットとはその蛋白質構造がかなり異なることが示唆された。さらに本酵素は1分子中に銅を1原子持っていた。2原子の銅(Cu_A、Cu_B)を含aco型チトクロムc酸化酵素と本酵素の近赤外スペクトルの比較から、Bacillus YN-1のcaa_3型チトクロムc酸化酵素にはCu_Aが存在しないことが確認された。つぎに精製された酵素をリポソームに再構成し、ウマチトクロムcを用いてプロトンポンプ活性を測定したが、有為なプロトンポンプ活性は見いだされなかった。そこで、本細菌から精製した膜結合性チトクロムc-550を用いてプロトンポンプ活性を測定したが、この場合も有為なプロトンポンプ活性は見いだされなかった。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)