Project/Area Number |
05259214
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
植田 和光 京都大学, 農学部, 助手 (10151789)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木岡 紀幸 京都大学, 農学部, 助手 (90234179)
駒野 徹 京都大学, 農学部, 教授 (30026413)
|
Project Period (FY) |
1993
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
|
Keywords | 多剤耐性 / P-糖蛋白質 / MDR1遺伝子 / 癌 / トランスポーター / ATPase / クロライドチャネル / 酵母 |
Research Abstract |
P糖蛋白質は、抗癌剤を含む様々な脂溶性物質を、ATP加水分解に依存して、細胞内から外へ能動輸送する膜蛋白質である。さらにP糖蛋白質は、ヒトの遺伝病嚢胞性繊維症の原因であるCFTR蛋白質と同様にクロライドチャネルとしても機能することが報告され、能動輸送とチャネルの両機能を備えたユニークな膜蛋白であることが明らかとなった。P糖蛋白質は、6つの膜貫通領域とそれに続くATP結合領域が2回繰り返した分子内重複構造を持つが、前後半の膜貫通領域がP糖蛋白質の多様な基質の認識にどのようにかかわっているのか、2つのATP結合部位が物質輸送およびチャネル機能にどのように使われているのか、能動輸送活性とイオンチャネル活性がどのような機構できりかわっているのかなど不明な点がまだ多く残されている。本研究ではまず、ヒトP糖蛋白質のATP活性、物質輸送活性、そしてそれらの共役を検討する実験系の確立を試みた。 ヒト正常副腎より単離したMDR1 cDNAを、分裂酵母(MDR1類似遺伝子pmd1を欠失させたKN3株)中で発現させ、活性を検討した。分裂酵母中で発現したヒトP糖蛋白質は、糖鎖付加は不完全であったが、酵母をアクチノマイシンD、バリノマイシンに対して耐性にした。これらは、P糖蛋白質を発現させた培養細胞が耐性を示す薬剤であり、ヒトp糖蛋白質が酵母の膜中でも機能することを示している。しかし、前半のATP結合領域に点突然変異を導入したP糖蛋白質は酵母を耐性にしなかった。以上の結果は、前半のATP結合領域が輸送活性にとって重要であることを示唆した。前年度までに、P糖蛋白質の前半部だけでは細胞を薬剤耐性にしないことを明らかにしており、P糖蛋白質の機能には、両方のATP結合領域が必要なことが明らかになった。
|