大腸菌ATP合成酵素の一次構造に基づく高次構造と機能の相関の解明
Project/Area Number |
05259216
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
金沢 浩 岡山大学, 工学部, 教授 (50116448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三木 順詞 岡山大学, 工学部, 助手 (20219603)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | ATP合成酵素 / もどり変異解析 / モノクローナル抗体 / 分子集合 |
Research Abstract |
大腸菌ATP合成酵素の一次構造に基づく高次構造と機能の相関を明らかにするため、新しい一連の実験系を確立することを目指し、これに成功した。本酵素の活性中心を担うαとβサブユニットに対する複数のモノクローナル抗体を作成し、これらの抗体が認識する残基を決定した。これらの残基はサブユニット分子の表面に存在すると考えられる。また、活性あるαβγ複合体の試験管内再構成の実験においてこれらの抗体は、再構成を阻害した。一方、F1ATPase複合体のATPase活性をこれらの抗体は阻害しない。したがって、これらの抗体の認識する残基はサブユニットの分子集合に関与するものと考えられる。また、これらの残基のうち抗体を結合しえなくなる一残基置換の変異について酵素の性状を調べたところ、いづれもαとβのF1複合体への分子集合が異常になることが明らかとなった。また、この分子集合異常が回復するようなもどり変異を多異分離して解析したところ、もとの変異部位の他に変異が起きる場合が見い出された。以上の新しいアプローチにより、主として本酵素の分子集合に与る残基が詳細に解明できる見通しができた。現在まで、βサブユニットの40と41残基がαサブユニットとの分子集合に重要であり、αの111残基がこれら残基と対応すると考えられる結果を得ている。 本研究で確立した新しい実験系は他の複合体酵素の解析にも有用となろう。本研究の成果は、1993年度生体エネルギーに関するゴードン会議(米国,ニューハンプシャー)において発表することができ、2編の論文として印刷中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)